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【第85回天皇杯5回戦:名古屋 vs 大宮 レポート】互いに決定機を逃して延長戦。攻めた大宮が準決勝に駒を進める(05.12.10)

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●第85回天皇杯5回戦
12月10日(土)13:00キックオフ/日本平/1,513人
名古屋 1-2 大宮
得点者:103'藤本主税(大宮)、104'中村直志(名古屋)、111'トニーニョ(大宮)
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ホーム側からアウェー側に、強く冷たい風が吹いた、この日の日本平スタジアム。ホーム側に名古屋、アウェー側に大宮が入り、今シーズンのリーグ戦13位(大宮)と14位(名古屋)の、数字的には拮抗している2チームが戦う天皇杯5回戦がスタートした。今日の名古屋は3−4−3。ケガが心配された吉村もスタメンに名を連ね、ここ数試合、本職のボランチからDFとして出場していた安も、ボランチに戻って、2ボランチが復活。前線には2列目に中村、本田、1トップで鴨川という実質3トップの攻撃的な布陣だった。「今日は攻撃的にどんどん前からプレスをかけ、先制点を取って流れをつかみ、そのまま押せ押せで行くことを狙っていた」という中田監督の意図が感じ取れるシステムだった。
ところが試合は、大宮ペースで進んでいく。いきなりゴール前で危ない場面を作られた名古屋だったが、これはDFがすんでのところで体を張って守りきる。4バックでボールを持った選手を数人で囲んで執拗なプレスをかけてくる大宮に、名古屋は苦しめられる。そればかりか久永を走らせ、藤本がチャンスメークもしくはゴールを狙うという攻撃の意図が見える大宮のカウンターとパス回しに、ボランチの2人も引き気味になっていく名古屋。両サイドの藤田、角田がなかなか活かされず、たとえゴール前にボールを運んでもシュートまでなかなか繋がらないという悪い癖を前半は繰り返していた。

両チームとも決定機を逃して無得点で後半に入る。そこで変化を見せたのが名古屋。その中でも光ったのが、安、本田、藤田がたびたび見せたコンビネーションの良さ。ボランチの安が中盤でキープしたボールを、右に展開する藤田に絶妙なパス。それを受け取った藤田が本田に追い越す動きを促すパスを出すると、反応した本田が受けてセンタリング、またはシュートを放つ。徐々にパスが繋がりだし、ゴールの匂いも感じさせていく。
しかし、大宮も守備にだけ追われている訳ではない。相変わらず久永、藤本のホットラインは健在で、後半だけでも決定的なシュートを3本放つ。いずれもGK川島のスーパーセーブがなければゴールネットを揺らしていただろうというシュートばかりだ。それでも、攻撃の際にミスが目立った大宮に名古屋は救われた。この時点ではまだ、勝利の女神は名古屋に微笑もうとしていたのかもしれない。そんなラッキーも活かしきれない名古屋。攻めながらもシュートが打てず、後半は本田のシュート3本だけ。まさに孤軍奮闘状態だった。

やはりというべきか、90分で決着がつかず、試合は0−0で延長戦に突入した。先に流れをつかんだのは名古屋。後半途中から右サイドに入り、久永を抑えていた杉本の俊足を活かすワイドな攻撃が展開されていくと、決定的なチャンスが何度となく訪れる。延長前半のほとんどは名古屋が攻める時間帯だった。にもかかわらず、やはりシュートが打てない。逆に大宮・桜井のサイド突破を許し、中央に飛び込んだ藤本にダイビングヘッドで先制点を許してしまう。しかし名古屋は引くことなく、追い風を見方にして攻め続ける。そしてわずか1分後、中村の蹴ったFKが美しい弧を描き、ゴールへと吸い込まれていった。ファインゴールで同点に追いついた名古屋。その流れのまま、延長後半へとつながると思われた。
ところが、大宮の勝利へのモチベーションは名古屋のそれを上回り、延長後半は再び大宮がペースを引き戻す。そして111分。交代で入ったDF片岡が、すぐに値千金の仕事をする。ボールを奪い、ドリブルで左サイドを駆け上がると中央にセンタリング。それをトニーニョが頭で合わせ、追加点。これでますます大宮のプレスは強固になり、ついに試合終了まで名古屋に決定的な仕事をさせなかった。

延長戦を制した大宮・三浦監督が「天皇杯初のベスト8。また新しい山を越えた。選手はよくやってくれた。うれしい」と喜びを口にすれば、古巣相手に先制点を挙げた藤本も「天皇杯はモチベーションがボヤけがちだけど、チームとしてやることをしっかりやれていた」とチーム力での勝利を喜んだ。

不本意な成績でリーグ戦を終えた両チーム。試合は互角だったが、決定的に違ったのは流れの中で2点を取った大宮と、セットプレーでしか点を取れなかった名古屋という点ではないだろうか。大宮は、まだJ1で1年目。2年目のシーズンに向け、天皇杯ベスト8入りを決めたことは自信となっていくことだろう。
対して名古屋は、シュートを打つことに加え、流れの中でゴールすることも課題となった。が、今日のゲームでは久しぶりに前線でパスがつながり、意図のある攻撃の形がみえる場面が増えた。ただ一部の選手たちではなく、チーム全体としてやれるものにしていく必要があることを付け加えなければならないが…。名古屋は来シーズン、ヨーロッパ路線に戻ってチームを立て直す計画であることが報道されている。今シーズンに学んだものを、しっかりと活かして生まれ変わってほしいと願う。


以上

2005.12.10 Reported by 茂木美佐子
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