9月24日(土) 2005 J2リーグ戦 第33節
福岡 2 - 2 甲府 (19:04/博多球/8,974人)
得点者:'29 山形恭平(福岡)、'33 須藤大輔(甲府)、'84 倉貫一毅(甲府)、'85 グラウシオ(福岡)
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福岡が先制すれば甲府が追いつき、甲府がリードすれば福岡が追いすがる。両チームとも前に出ることしか考えずに攻め合った試合は2−2のドローで幕を閉じた。福岡にしてみればパスミスから失った2点目が、甲府にとっては逆転ゴールを挙げた直後の失点が悔やまれるが、互いに喫した2失点を責めるよりも、ともにリスクを背負って勇気を持って戦った姿勢を讃えたい。ライバル同士の直接対決にふさわしい好ゲームだった。
試合は立ち上がりから互いにゴールに向かう姿勢を強く打ち出す形で始まった。激しく前に出る福岡は、グラウシオ、田中、宮崎、古賀の4人がポジションチェンジを繰り返して甲府守備陣を切り裂いてチャンスを作れば、甲府はマイボールの時にはセンターバックの2人を残して全員が前へ。須藤のポストプレーからボールを展開して福岡ゴールへ迫る。両チームともに、力で相手をねじ伏せるという気迫溢れる立ち上がりだった。
そんなぶつかり合いの主導権を先に握ったのは福岡。素早くシンプルなパス回しから、ワンボランチの奈須の両側と、両サイドに出来るスペースを突いて激しく攻め上がる。福岡の特徴が存分に発揮された攻撃は迫力満点。甲府は守備に時間を奪われる時間が続く。そして29分、福岡は狙い通りの形から左サイドを崩して古賀がシュート。このシュートはGK阿部が弾いたが、ルーズになったボールに出足鋭く追いついた山形が、角度のないところからゴールマウスに流し込んだ。
しかし、その4分後、素早いコーナーキックを仕掛けた甲府はゴール前の混戦から須藤が押し込んで同点ゴールをゲット。そして、ここから甲府の反撃が始まった。起点となるのは1トップの須藤。そのポストプレーを絶妙な位置でフォローする藤田がボールを展開すると、流れるようなパスワークと、次から次へと後方から押し上げてくる厚みのある攻撃で福岡を押し込んでいく。さすがは攻撃型のチーム。前を向かせてプレーさせると勢いを止めるのは容易ではない。そして、その勢いは後半に入っても変わらない。
そんな甲府の勢いを断ち切りたい福岡は56分、山形をベンチに下げて前線に岡山を投入する。敢えて攻撃的に行くことで甲府の勢いを封じ込めるのが狙いだ。これが奏功した。勢いを取り戻した福岡の前に、甲府は全員が自陣に戻らざるを得なくなり、福岡は立て続けに決定的なシーンを演出する。ホームの大声援の後押しもあって流れは完全に福岡。あとは決勝ゴールが生まれるのを待つだけかに思われた。
ところが、2点目を奪ったのは甲府。84分、福岡のパスミスを奪った甲府は、藤田がドリブルで中央を駆け上がり、追走してきた倉貫にラストパス。そして倉貫の右足がゴールマウスを捉えた。全員が攻めあがっていた福岡はボールを追いかけるだけで精一杯だった。しかし、試合はこれで終わらない。その直後の85分、宮本のクロスボールを岡山がすらしたところに飛び込んだのはグラウシオ。頭で合わせたボールがゴールマウスに吸い込まれた。この後、ともに決定的なシュートを放つもゴールは捉えられず。2分間のロスタイムを経て、試合終了のホイッスルが鳴った。
力と力のぶつかり合い。ともにゴールを奪うことで相手をねじ伏せにいった試合だった。どちらも、その攻撃力を余すことなく発揮し、どちらも自分たちの意図する形からゴールを奪った。引き分けという結果は互いに悔しさを残すことになったが、自分たちのサッカーをやり遂げた両チームが、この結果を後に引きずるようなことはないだろう。
これで福岡の勝ち点は58。首位の京都に勝ち点14差、3位の山形に勝ち点8の差をつけて第3クールを終えた。一方甲府は勝ち点49で4位。3位の山形から6位の札幌まで勝ち点4差の間に4チームがひしめき合う3位グループに位置している。しかし、これは単なる3順目を終えた結果にすぎず、第4クールの行方を占うものではない。「我々はまだ何も手にしたわけではない」(グラウシオ・福岡)。残る試合は11。ここから本当の勝負が始まる。
以上
2005.09.25 Reported by 中倉一志
J’s GOALニュース
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