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【J1:第25節 名古屋 vs C大阪 レポート】C大阪が快勝で4連勝。戦う気持ちを全面に出した名古屋だが、中田監督代行初采配を白星で飾れず。(05.09.25)

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9月24日(土) 2005 J1リーグ戦 第25節
名古屋 1 - 3 C大阪 (19:02/瑞穂陸/10,353人)
得点者:'32 古橋達弥(C大阪)、'44 中村直志(名古屋)、'48 前田和哉(C大阪)、'51 西澤明訓(C大阪)
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 試合前、どんより曇り空から雨が降り出した瑞穂陸上競技場。まるで名古屋の状況を表しているかのような空模様だった。サポーターの掲げた横断幕には「今こそひとつになって戦おう。共に勝利を目指そう」の文字が。もちろん、選手たちも今の状況を自分たちで打開しなくてはならないことは分かっている。そんな選手たちの前向きな気持ちを知ってか、試合前には雨も上がり、爽やかな風がピッチを駆け抜けた。名古屋再生の足がかりをつかめるか。いつもとは違う緊張感の中、試合は始まった。

 前節と同じく3−5−2の布陣で、杉本と中村の2トップ、トップ下は藤田という攻撃陣。序盤から杉本のスピードや、藤田、中村の追い越す動き、裏を狙いに行く動きを活かそうと展開するが、なかなか波に乗っていけない。
 逆にセレッソは効率良く名古屋陣内にボールを運び、チャンスを作っていく。それでもボールを支配しているのは名古屋。左サイドの山口がゼ・カルロスを粘り強く抑え、C大阪のサイド攻撃封じに奮闘。中盤で安が激しくボールを奪いに行き、何度となく前戦にボールを出していく。C大阪の速い寄せ、高い位置のプレスに苦しみながらも、なんとか前戦にボールをつなぎ、パスを回してゴールを伺うが、なかなかフィニッシュまで持ち込めない。ボールを持っているものの、流れはつかめない時間帯が続く。そして32分。名古屋との対戦で必ず得点にからんでいる、名古屋キラー・古橋に先制点を奪われてしまう。

 しかし、この日の名古屋は、先制されても下を向かなかった。何度となくチャンスを作り、C大阪ゴールを脅かす。前半終了間際、C大阪陣内の中央、やや右よりの位置から中村が華麗なフリーキックを決め、同点とする。チームに勢いをもたらすゴールで前半を終え、この勢いが後半の逆転劇へとつながると誰もが思った。

 ところが後半早々、「徳重にもっとサイドを使えと指示した」小林監督の采配がズバリ的中する。48分、「徳重が走ったことで生まれた」フリーキック(キッカー・古橋)をルーキー前田がヘッドでJ初ゴールを決め、再び名古屋を突き放すと、51分には、久藤からのパスを中央で受け取った古橋がマイナスに折り返し、西澤がだめ押しの追加点を決める。これも「徳重が上手くサイドに流れて生まれたゴール」(小林監督)だった。
 中盤でサイド攻撃を封じられたことから、FWの徳重を上手く使ってサイドからの展開で、いとも簡単に2点を追加したC大阪。後半の早い時間に2点を失った名古屋。「当然名古屋は点を取りに来ると思った。当然引き気味になるが、そこからいい形が作れれば、また点が取れると思った」(小林監督)「点を取りに行かなくてはいけなった」(中田監督代行)という、まさに『追う者と追われる者』対照的な展開となる。

 先に動いたのは中田監督代行。サイド攻撃を封じる献身的な守備で貢献していた山口に代え、中山を投入。「中山をワントップ気味にして、杉本の右からの突破を狙って、そこからのクロスに合わせる」。さらに左サイドの中谷を本田に代え、「本田のボールキープから起点をひとつ設けて、そこから彼の左足を活かして中山に合わせる」というシステムに変更。この采配が功を制し、左サイドに位置した本田から多くのチャンスが生まれる。リスクを冒しても攻め続け、逆に危ない場面も作られるが、DF陣の最後の踏ん張りはもちろん、シュートが枠から外れて救われる幸運もあった。攻め続ける名古屋の気迫に押されながらも、耐えてチャンスを待ち、追加点を狙うC大阪。息をもつかせぬ展開で、スタジアムは揺れに揺れた。終盤、疲れの見える杉本に代え、豊田を投入して、中山・豊田の高さとスピードに賭けた名古屋だったが、ゴールを割ることはできなかった。

 これでC大阪は4連勝。「辛抱強くやれば自分たちのリズムになる。リズムが生まれたところでうまく点が取れている。こういう風にすれば勝てるというのを教えているわけじゃないが、選手たちがそういうのを分かってきたのかなと思う」と、小林監督はチームの好調を分析する。
 この日、先制点を奪い3得点すべてに絡んだ古橋も「もうちょっと前でキープできないとキツイ」と反省点をのべながらも「今まで通りやることを変えないでステップアップしていきたい」と、勝つサッカーができていることへの自信をにじませていた。

 監督解任劇からわずか一週間で試合に臨んだ名古屋は、中田監督代行の初采配を白星で飾れなかったが、戦う気持ちが見える試合だった。「結果は出なかったけれど、一週間トレーニングしたことを選手たちが出してくれた」と中田監督代行が選手たちを評価すれば、選手たちも「みんなが変わろうという意識があった」(安選手)「今日のゲームでは気持ちが入っていた。変わることが大切だし、この気持ちを次にもつなげていくことが本当に大切」(本田選手)と、チームの変化を口にしている。
 この日は戦う気持ちが空回りしていしまった感もある。しかし、名古屋再生の糸口をつかめた内容だったように思う。あとは、この気持ちの変化を結果につなげるだけだ。

以上

2005.09.25 Reported by 茂木美佐子
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