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【J1:第25節 川崎F vs 大宮 レポート】苦手のオレンジ越えに成功、川崎Fがクラブ史上初のJ1リーグ3連勝をマーク。(05.09.25)

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9月24日(土) 2005 J1リーグ戦 第25節
川崎F 2 - 1 大宮 (15:01/等々力/7,023人)
得点者:'51 我那覇和樹(川崎F)、'58 箕輪義信(川崎F)、'88 島田裕介(大宮)
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 51分に川崎F・我那覇和樹が先制点を決めた後、サポーターへアピールすべくコーナーポストを目指した時のことだ。最終ラインからその我那覇を目指して箕輪義信が駆け寄って行く姿があった。過去数シーズンを振り返ってもあまり見覚えのないシーンだった。
 確かに中村憲剛からのパスにしても、その浮き球のパスをワンタッチでコントロールした我那覇のトラップにしても、そしてGKとの1対1を確実に得点に結びつけたシュートにしても、すさまじくエレガントではあった。ただ、常にフォアザチームに徹してきた箕輪が、持ち場を離れ喜びの輪に加わるのはいかにも不自然だった。ただ、サポーターはゴールパフォーマンスを見て納得したはず。彼らはゆりかごダンスを披露していた。

 さらにその7分後、ジュニーニョへの厳しいチャージに関塚隆監督が激怒し、ピッチ上が騒然とした直後のFKの場面。マルクスは1人だけを見てゴール前にボールを上げた。あまりにも出来過ぎな形で箕輪が飛び込みゴールネットが揺れる。58分のことだった。箕輪はその場面を「向こうの集中が切れていて、マルクスはああいう所を逃がさない。いいボールが来ました」と振り返るが、そもそもマルクスはこの日、箕輪に「合わせるから」と伝えていたという。23日の早朝、女の子の第一子を授かっていた箕輪がこの試合を決めた。

 長いレンジのスルーパスを通しまくっていた中村が試合を振り返る。「去年の大宮はタテパスを入れさせてくれなかった。ただ、今日は空いているところがあった。ゾーンで守っていたからだと思う」
中村は自分に対するプレッシャーの弱さを感じていたが、それはこの日大宮が採用していたシステムにおいては必然的な結果だったのかもしれない。

 山下芳輝を1トップにして中盤を4枚並べ、斉藤雅人をアンカーにした4−1−4−1のシステムにおいて、中村は斉藤とのマッチアップにのみ注意していれば良かった。金澤慎とトゥットは共に山下をフォローするシャドーストライカーとしての役割が強く、守備への比重は高くなかった。
 厳しいプレスを覚悟していたという中村にとって、この日の大宮の布陣は、彼の良さを存分に出せるという意味において、格好の形だったと言える。
 もちろん、1トップ2シャドー的な大宮のシステムが川崎Fのゴールを脅かす場面がなかったわけではない。前目な3人の選手に対し、藤本主税がフォローする大宮の攻撃が結果を出しそうな場面もあった。前半42分。細かいパスで藤本へと繋げると、山下へとスルーパスが通った。山下はGK相澤貴志との1対1の場面を迎えたが、判断良く飛び出した相澤がこれをストップ。大宮へ傾きかけた流れを分断する。
 川崎Fに2点をリードされた後の後半66分には、金澤がフリーでヘディングシュートを放つ場面もあったが、これも相澤がファインセーブでしのぎ、流れを与えなかった。

 2点を追いかける大宮が終盤にパワープレーをしかけ、その結果として88分に直接FKを島田裕介が決めた場面から試合は白熱した。ただしそれ以外のシーンではやるべき選手が残すべき結果をきっちりと残した、という意味で川崎Fの強さは光っていた。
 
 J2から昇格したばかりの今季。確実に存在したJ2とJ1の格差は川崎Fを苦しめていたようにも見えた。ただ、全チームとの対戦を終えた後半戦に入ってからの川崎Fの戦いからは、J2を勝ち進んだ昨シーズンの勝負強さが垣間見えていた。高いレベルに慣れて来つつあることをうかがわせる。

 プロサッカーチームを取り巻く要素は様々あるが、最終的に試合を行うのが選手であることを考えると、選手間の風通しの良さがチームの成績と密接に関連付けられることに議論の余地はないだろう。日本サッカーのトップに位置するJ1で、子供が生まれた選手に対する優しさと勝負とをリンクさせ、その両方を満たすことの出来るチームが川崎Fだったということが出来る。チームワークを結果に結びつけた川崎Fは、今後、順調に勝ち星を伸ばしそうな予感をさせる。

 一方、4連敗となってしまった大宮だが、三浦俊也監督は「自分たちのゲーム内容だとかやっていることに対して、個人個人が自信を失わずに自分の役割をまっとうすること」が結果を残すために必要なことだと述べている。結果が先か。内容が先か。議論は容易には決着するものではないが、少なくとも大宮の置かれた立場が徐々に厳しいものになりつつある事だけは間違いない。

以上

2005.09.24 Reported by 江藤高志
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