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【TSUTAYAカップ アルビレックス新潟レディース vs なでしこジャパン(日本女子代表)レポート】新潟のサポーターに両チームが最後まで戦う姿勢を見せた一戦は、なでしこジャパンが9−0で圧勝。(05.08.27)

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8月26日(金)19:30キックオフ/新潟ス 入場者数:21,156人
アルビレックス新潟レディース 0-9 なでしこジャパン(日本女子代表)

【得点】2’澤穂希、11’永里優季、18’澤穂希、26’永里優季、31’安藤梢、73’丸山桂里奈、82’澤穂希、84’丸山桂里奈、89’柳田美幸
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 8月26日金曜日、新潟スタジアム・ビッグスワンで、アルビレックス新潟レディースvs日本女子代表・なでしこジャパンの「TSUTAYAカップ 小林幸子 中越大震災復興チャリティーマッチ」が行われた。これは昨年の12月に行われたアルビレックス新潟vsジーコジャパンドリームチームの対戦以来、2度目のチャリティーマッチとなる。スタジアムでは試合キックオフを前に、新潟出身の歌手・小林幸子さんによる歌も披露され暖かいムードに包まれた。選手たちにとっても初めてのビッグスワン・・・期待が高まる。

 L2(Lリーグは1部と2部があり、その2部)2位の、アルビレックス新潟レディースが、日本代表に挑むこの試合。「どんなに攻められ、どんなに得点されて苦しくなっても、絶対に下を向かず戦い抜こう」と結束し試合をむかえた選手たち。キャプテンの片桐は「チャリティーマッチということで自分たちの戦い抜く姿を見てもらいたい」と意気込みを話した。更に新潟にとっては、9月のリーグ再開後L1昇格をかけた優勝争いを控えており、中断期間中にトレーニングをしてきたことの確認をし、目指しているL1で戦っている選手たちとの対戦の中でどれだけの戦いができるのかを確認することも、この試合の大きな目的。

 一方のなでしこジャパンも「多くの子供たちや、被災した人々に楽しんでもらえる試合をしたい」と意気込みも十分。昨年の震災があった時、アルビレックス新潟シンガポールを率いていた大橋監督は、トレーニングのため新潟で1ヵ月半を過ごしていた最中で、まさにその震災を経験した一人でもあり、「自分自身もその恐怖を味わったし、被災者の皆さんがどれほど不安な日々を送っていたかも目の当たりにしてきた。我々の戦いで勇気を持ってもらえるように精一杯やりたいですね」と試合前に語り、「チャリティーマッチのこの試合、全力で戦い抜くこと、球際にも全力で。見てくれている人に勇気を与えられるような試合をしよう」と選手たちに指示をした。更に、「東アジアサッカー大会で無得点という結果に終わったばかりの状況だから、得点をとっていく戦いをここでもう一度しっかりやりたい。それと伊藤、秋山(大橋監督になり初招集)の様子も見たい」とした大橋監督、こちらも大きな目的を持つ。

 さて、試合は21,156人の観衆に見つめられ、雨が降る中、夜7時30分キックオフ。立ち上がりから、なでしこジャパンの猛攻をうける新潟。2分には永里のクロスが中央の澤にわたり早速ゴールが決まり、その得点を皮切りに永里・澤・永里・安藤と、前半に5点を許してしまう。12本のシュートを放たれた新潟は、なでしこジャパンの冷静で堅い守りにシュートを放つことは出来ない。ハーフタイム、新潟のロッカールームでは、「試合巧者の相手に対しもっと前からプレスに行き、サイドを使っていこう」と話し合いが行われ、牛浜監督からは「もう一歩前へ、最後までやり切れ、チャンスは来る、信じて戦おう」と激がとび、気持ちを高めた。

 後半に入り、なでしこジャパンはベンチのメンバー全員を投入。3バックから4バックへと変更。ロシア遠征以来の出場となる川上も右サイドバックに投入された。「勝つことは前提だけど、楽しくサッカーをやりたいですね」と試合前に話した川上からは笑顔がこぼれる。
 圧倒的な力の差をみせつけられつつも、前半以上に必死に挑む新潟の選手たちの姿、そしてリードしてもなお攻め続けるなでしこジャパンの選たちの姿は、ますます観衆を熱くし、応援の声も、より勢いを増しスタジアム中の興奮が高まる。新潟は牛浜監督は後半途中から選手交代をしはじめ、ベンチ入りをしていたすべてのメンバーが出場・・・このビッグスワンで、なでしこジャパンを相手に戦ったその経験は選手たちにとっても貴重な経験となった。後半もなでしこジャパンは13本のシュートを放ち、丸山・澤・丸山・柳田と4点を加え試合は終了。

 結果9−0というなでしこジャパンの圧勝。しかしそこに見たものは力の差だけではなく、どれだけ得点をしても最後の最後まで「もっともっと」と攻めて得点を狙い続けるなでしこジャパンの姿、どれだけ攻められて差を見せ付けられても果敢に戦い抜くアルビレックス新潟レディースの選手たちの姿・・・、その戦いにずっと声援を送り続けた人々の姿だった。すべての人が幸せに暮らせるように・・・そして被災地の一日も早い復興をというみんなの思いが、サッカーを通じて暖かいメッセージとして送られた新潟の夜だった。
以上

2005.08.27 Reported by 日々野真理
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