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【J2:第28節 草津 vs 山形 レポート】90分間、ゴールネットが揺れることなくスコアレスドロー。時間は、ただ過ぎていった。(05.08.27)

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8月26日(金) 2005 J2リーグ戦 第28節
草津 0 - 0 山形 (19:04/群馬陸/4,302人)
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 決定機は両チームともに数える程度。草津対山形の3度目の対戦は、一度もゴールネットが揺れることなく90分という時間がただただ過ぎていった。「今日は時間が進むのが速く感じた。あっという間に終わってしまった」(氏家)。消化不良のゲームに、両チームのサポーターから試合後、ブーイングが飛んだ。草津側ゴール裏からは叱咤のほかに拍手の音も聞こえたが、山形側はだれ一人として拍手を送る者はいなかった。それは、このゲームの評価と、両チームの置かれた立場を顕著に表していた。

 前半、山形は両サイドが積極的に動き、チャンスを演出。ゲームは序盤から山形が押し込む展開。草津は、中盤の起点となる山口、鳥居塚が山形の素早いプレスに囲まれ、ボールを回すことすらできない。佐田、酒井の両サイドは守備に追われ、草津の2トップは完全に孤立した。山形は30分過ぎにも、佐々木、臼井らの鋭いクロスで草津ゴールを脅かすが、草津DFの粘り強い守備に阻まれる。前半終了間際、草津は山口のクロスを酒井がボレーシュート、それが唯一の見せ場だった。「前半は全くと言っていいほど、チャンスが作れなかった」(佐田)

 攻める山形に対し守る草津。後半も流れは同じだった。草津は、守備的に戦う意志はなかったはずだが、両サイドバックが高い位置を取る山形のサッカーに対処できず、結果的に引いて守らざるを得ない状況。ボールを奪う位置が低いため「攻撃は皆無」(草津・手塚監督)だったが、守備に関しては、山形の攻撃をなんとか防ぎ切った。後半、山形は林、高橋らを投入、選手交代で打開策を探るが、勝たなければいけないという焦りからか、次第に攻め手を失った。山形の後半のシュートはわずか2本(草津は1本)。終始ペースを握りながらも、ゴールは遠のいていった。山形・鈴木監督は「戦う気持ちはあったと思うが、前節が中止になったためチームのコンディションが悪く空回りした」と力なく話した。

 「勝たなきゃいけないゲームだった」と原が話したように、山形にとっては負けられないゲームだった。最下位・草津との対戦は1勝2分の勝点5。ライバル・札幌、甲府は草津から3勝を挙げ、勝点9を得ている。この勝点4の差は大きい。今日のゲームの終盤、手塚監督がワンボランチの攻撃的なシステムに変更して勝負に出たのに対して、鈴木監督は最後まで信念を貫き通した。ロスタイムに入っても、バランス良く配置された4-4-2の陣形が妙に印象に残った。「終盤の場面で大事に行き過ぎたかもしれない。思い切って勝負に行くことも必要」というコメントを永井が残したが、昇格争いがからんだリーグ戦終盤ではリスクを負って攻撃に出ることも必要になってくるだろう。

 草津の収穫は、守備のメドが立ったことと、勝点1を得られたこと。守備面では、3試合連続出場しているDFチカの存在が際立つ。この日も山形の攻撃の半分以上をチカがブロックした。課題だったセットプレーの守備でも、高さを発揮。センタリングをことごとく弾き返した。チカが戦列に加わったことで、草津の3バックは完成型に近づいた。もはやチームに欠かせない戦力だ。しかし、守備が安定する一方で、攻撃面の課題は山積みだ。まずは、相手を上回る運動量が必要不可欠。現状の草津には、山形相手にスコアレスドローの勝点1が、精一杯の結果だっただろう。

以上

2005.08.27 Reported by 伊藤寿学
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