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【J2:第28節 水戸 vs 札幌 レポート】ゲームの内容はともかく、水戸は待望の勝点3を奪取。札幌は昇格黄信号なゲーム内容に修正が急務。(05.08.27)

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8月26日(金) 2005 J2リーグ戦 第28節
水戸 1 - 0 札幌 (19:02/笠松/2,172人)
得点者:'70 オウンゴ−ル(水戸)
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 心配されていた台風は太平洋側に抜け、水戸地方は昼前後から晴天に覆われた。ピッチ状態は天候ほど回復しなかったものの、予想していた状態よりはるかに良好な状態で第28節を迎えることができた。平日ナイターということもあり入場客数は2172人と振るわなかったが、それでもスタンドに足を運ばれたサポーターは、台風一過の晴天と心地よい風を存分に楽しめたのではないだろうか。これでゲームの内容が良ければ『言うこと無し』だったのだが・・・。

 スコアは1-0で水戸の勝利。厳しいことを言うようだが、内容的にそれ以上のことは無い。水戸はのどから手が出るほどに欲しかった久々の勝点3を手にした。が、シュートがたった5本というゲーム内容は決してほめられたものではなく、内容的な収穫は少なかった。札幌は水戸の倍以上の13本のシュートを放つも決定力に乏しく、J1昇格を狙うには明らかに物足りなさを感じさせた。

 札幌は、戦列を離れた上里にかわり三原がトップ下のポジションに入った。システムは従来どおりの3-5-2。注目のデルリスもスターティングメンバーに名を連ねた。ホーム水戸は、前節の湘南戦と同様に栗田と永井を並べた4-4-2。2トップは磯山と秋田が務めた。
 前半は、両チームともイージーミスが目立つ緩慢な内容。11分に札幌・岡田がミドルシュートを打つまでは両者探りあいといった感じ。この岡田のシュートも、水戸ディフェンスのミスがきっかけとなるものだった。その後、水戸・永井のミドルシュートや札幌の好位置からのFKなど、会場が沸く場面は2、3あったが、どれも結果にはいたらず。よどみなく進む穏やかなゲームだった。前半のシュート数は水戸4に対し札幌3のみ。この数字がゲームの穏やかさを物語る。

 後半は、札幌が積極的なプレーでゲームを動かす。後半4分、この日最初で最後のデルリスの突破。「前を向かせると一瞬の速さがある(水戸・前田監督)」というように一瞬にして須田を置き去りにしグラウンダーのマイナスボールを入れる。しかしながら相川が痛恨のシュートミス。札幌は最大の得点機を逃した。その後、長短10本ものシュートを集中させるが、水戸ゴールを揺らすことはなかった。「キック、ボールをミートすることが下手。シュートも枠に飛ばない(札幌・柳下監督)」と試合後の会見でぼやきが聞かれたが、決定機に枠を外すということが今日の札幌の敗因。これでは勝てるはずもない。後半12分、水戸は秋田に代えて伊藤を前線に送り込む。「サイドから攻めるきっかけになれば・・・(水戸・伊藤)」というように、この交代を機に、水戸はサイドからの攻撃がちらほらと見え始めた。水戸の得点シーンは、左サイドでのスローインを伊藤が前を向くようにボールタッチし、そこでファウルを受け(FKのキッカーは関)オウンゴールを誘ったもの。そういう意味では、伊藤本人も戸惑ったと言うFWでの起用が成功したといえるだろう。しかしながら公式記録でのシュートは吉本のFKからの1本のみ。これはちょっといかがなものか・・・。

 何とも盛り上がりに欠けるレポートになってしまったが、つまりはそういうゲームだったということ。「どなたかデルリスの取扱説明書を送ってくれないものか」と札幌の地元ラジオ(と思われる)のDJの方が記者席で悲痛に叫んでいたので、その辺りを少し言及しようと思う。デルリスが最も得意とし、自ら「僕のここを見て欲しい」というプレーは、相手の裏へ抜け出し、1タッチ、もしくは2タッチでゴールするというもの。今日見る限りでは、その類のプレーがかみ合ったのは1度も無かった。「ちょっとでも集中を切らすと(裏を)やられる。でも足元がさばけるほうではないから、(ボールを)持たせる分には怖くない(水戸・吉本)」というように、彼をボール回しに組み込んでは長所が生きることは無い。シンプルなサッカーをするか、他の選手がデルリスが使うスペースを空ける動きをすることが必要になる。今日の札幌はその両者とも見られなかった。「自分には無かったが、周りにシュートチャンスを作れたことは良かった(札幌・デルリス)」と試合後に優等生的なコメントを残しているが、彼の胸中、本音はいかがなものだろうか。後半、中盤まで下がってボールを受けるシーンが目立ったが、それは水戸時代から見られるイライラしている時の表れだし、競り合うときにファウルがかさむのも同様だ。しかし、何だかんだ言っても、ゲーム最多の4本のシュートを放つ辺りは『さすが』としか言いようがない。

 今日、スタンドが最も沸いた瞬間は、マンオブザマッチに選ばれた水戸・本間のインタビューの時だ。「みんなの応援がなければ頑張れないから!」という本間のコメントにサポーターは大いに盛り上がった。笠松でこういうシーンを見るのは本当に珍しい。そしてこのゲーム後、水戸のサポーターグループの方と少し話しをした。今月の28日と来月の3日、4日に、水戸駅北口を中心(他に那珂市、ひたちなか市、日立市)にホーリーホックに関するアンケート調査を実施するとのこと。今の現状、観客動員数や運営に関して、もちろんチーム自体の認知度についてなど、問題点を明らかにして取り組むべき課題を明確にすることが目的だそうだ。一介のサポーターグループでは、できることも限られてくるだろう。しかし彼らは、チームをどうにかいい方向に導きたいという強い思いをもって、できることから動いている。選手、サポーター、ボランティアそしてフロント。水戸の闘う力を結束して、今後のゲームが見るものの胸を熱くすることを期待したい。これからの勝利が、ただの『勝点3』にならないように。

以上

2005.08.27 Reported by 堀高介
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