第5回:シーズンを左右するローカルダービー
後半戦のJ2の対戦の中で、この二つのローカルダービーの対戦成績は非常に重要な意味を持つことになるだろう。というのも昨年の最終節の直接対決で福岡に敗れ、入れ替え戦出場の権利を手に出来なかった山形は、シーズンを通して行った4度の仙台との対戦で1勝もできず、それが4位という結果につながった事を否定できないからだ。例えば10節ではチーム史上最多となる20,062人の観客を集め、内容で仙台を圧倒し相手に退場者が出ながら勝てなかったという試合もあった。入れ替え戦を逃した山形にとっては、仙台というチームは勝ちたくても勝てない難しい相手だったという事になる。
ちなみに今季の山形vs仙台の対戦は、1勝1分けで山形がリード。山形にとっては長年に渡って鬼門となっていた仙台を6年ぶりに下して溜飲を下げているが、残された2度のダービーマッチが大切なものになるのは間違いない。選手たちも、サポーターも、マスコミも意識する大一番であり、シーズンの行方と共に、心理的にも重要な試合となるだろう。
一方、昨年3位で終えた福岡は、入れ替え戦でJ1最下位の柏レイソルに力の差を見せつけられておりどうしても2位以内でシーズンを終えたいと考えているはず。一つでも勝ち点をのばしたい福岡にとって、他チームとの対戦は純粋に力の差が結果に反映されると考えていいが、鳥栖との九州ダービーは、鳥栖が持てる力以上のものを発揮して向かってくるという意味において難しい対戦となる。
リーグを勝ち抜くためには苦手チームを作らないという鉄則があり、そういう観点でもローカルダービーは当該チームにとって非常に重要な意味を持つ。そして、気持ちのこもった対戦ほど魅力的な試合はない。つまり注目の一戦という事が言えるのである。
2005.08.26 Reported by 江藤高志