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【徹底解析 J2】シーズンの行方を左右するローカルダービーに注目!全6回シリーズコラムの第5弾(05.08.26)

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第5回:シーズンを左右するローカルダービー


みちのくダービー
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終盤戦の昇格争いでその行方を左右しそうなものの一つにローカルダービーの存在を上げておきたい。ローカルダービーというものの定義は難しいが、対戦する2チーム間の距離が近く、両者の間に火花散る闘争心がむき出しになっている対戦、とでも定義づけられるだろうか。今現在のJ2において盛り上がりを見せるのがモンテディオ山形とベガルタ仙台が火花を散らす、みちのく(東北)ダービーと、福岡と鳥栖が激闘を見せる九州ダービー(九州という名前では範囲が広いが、この名前が定着しているためこの名称を使用する)の二つ。このほかにも湘南と横浜FCが対戦する神奈川ダービーが存在するが、こちらのダービーはこの両チームが神奈川県に存在している事をもってダービーと位置づけられており、まだまだ盛り上がりには欠ける印象がある。これからの発展に期待したい対戦だ。

 後半戦のJ2の対戦の中で、この二つのローカルダービーの対戦成績は非常に重要な意味を持つことになるだろう。というのも昨年の最終節の直接対決で福岡に敗れ、入れ替え戦出場の権利を手に出来なかった山形は、シーズンを通して行った4度の仙台との対戦で1勝もできず、それが4位という結果につながった事を否定できないからだ。例えば10節ではチーム史上最多となる20,062人の観客を集め、内容で仙台を圧倒し相手に退場者が出ながら勝てなかったという試合もあった。入れ替え戦を逃した山形にとっては、仙台というチームは勝ちたくても勝てない難しい相手だったという事になる。
 ちなみに今季の山形vs仙台の対戦は、1勝1分けで山形がリード。山形にとっては長年に渡って鬼門となっていた仙台を6年ぶりに下して溜飲を下げているが、残された2度のダービーマッチが大切なものになるのは間違いない。選手たちも、サポーターも、マスコミも意識する大一番であり、シーズンの行方と共に、心理的にも重要な試合となるだろう。

九州ダービー
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またその一方で九州ダービーも盛り上がりを見せている。去年の話になるが、低迷するチームを支えようと鳥栖のサポーターが動いたのが昨年の第三クールの福岡戦だった。目標はスタジアムを満員にすることだったが、結果的に9,565人の観客を集めている。一見すると少ない数字にも思えるが、鳥栖の昨年1年を通した観客動員の平均が3千人台だった事を考えれば、この数字は見事。サポーターの努力のたまものではあるが、福岡との対戦だった事も動員数につながった側面があった。ちなみに福岡はこのダービーマッチで敗戦。年間8勝の昨年の鳥栖に対して貴重な勝ち星を与えている。福岡と鳥栖は地理的な近さが盛り上がりの原因となっているが、今期のこの両者の対戦は引き続き熱い。鳥栖はホームでの福岡との開幕戦で引き分けており、これで一気に波に乗った感があった。そしてその勢いがそのまま第一クールの好調につながっている。

 一方、昨年3位で終えた福岡は、入れ替え戦でJ1最下位の柏レイソルに力の差を見せつけられておりどうしても2位以内でシーズンを終えたいと考えているはず。一つでも勝ち点をのばしたい福岡にとって、他チームとの対戦は純粋に力の差が結果に反映されると考えていいが、鳥栖との九州ダービーは、鳥栖が持てる力以上のものを発揮して向かってくるという意味において難しい対戦となる。
 リーグを勝ち抜くためには苦手チームを作らないという鉄則があり、そういう観点でもローカルダービーは当該チームにとって非常に重要な意味を持つ。そして、気持ちのこもった対戦ほど魅力的な試合はない。つまり注目の一戦という事が言えるのである。

2005.08.26 Reported by 江藤高志
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