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【J1:第20節 F東京 vs 名古屋 レポート】F東京、ホームでなんとか勝ち点1獲得。名古屋はルイゾンの活かし方に課題。(05.08.25)

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8月24日(水) 2005 J1リーグ戦 第20節
F東京 1 - 1 名古屋 (19:04/味スタ/20,120人)
得点者:'77 藤田俊哉(名古屋)、'88 今野泰幸(F東京)
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J1は24日に再開後2試合目となる第20節が行なわれ、ホームで戦ったF東京は1-1で引き分けた。先制点はアウェイの名古屋だった。77分、F東京がCKのチャンスに攻め込んだところをカウンター。クライトンから右サイドのスペースへと出されたボールは、クリアしようと滑り込んだ金沢が負傷するアクシデントもあって中村のもとへと渡り、最後は藤田が『らしい』動きからゴールへ蹴り込んだ。

ホームでビハインドを背負ったF東京は82分、梶山に代えて三浦を投入すると、今野を上げて猛反撃を開始。左サイドから何度か好機を演出した今野の努力が報われたのは88分だった。「速いボール蹴ろうと思ったらアウトにかかった」というクロスボールは、GK楢崎のミスを誘い、そのままゴールへと吸い込まれた。さらに逆転を目指すF東京は、右クロスからササ・サルセードがヘッドでねらうが、必死に守る名古屋DFがゴール寸前でクリア。劇的な再開後初白星はならなかったものの、最後まで攻め切り、なんとか連敗スタートは免れた。

「今日の試合内容で言えばホームで勝ち点3を取らなくてはいけないというのは分かっている。ただ、あきらめずに最後までいって追い付いた。しかもそれで満足することなく点を取りにいったことは評価できると思う」(原監督/F東京)
F東京は今野が守備に攻撃に奮闘した。積極的な攻撃参加について本人は「サイドに流れることが多かった。もっと中で勝負してスルーパスも出せるようにしていきたい」と課題を語り、3本のシュートを放ちゴールへの意欲も示したものの、「枠に飛ばなかった」と決して満足していない様子を見せた。定評のあるボール奪取力にプラスされる攻撃力アップへの強い意欲を感じさせ、それがこの日のF東京の攻撃の重要なポイントともなっていた。また、J1リーグ通算出場100戦目の記念となる試合で先発に復帰した石川も、加地とのコンビネーションなどから右サイドで何度も仕事をし、前半には栗澤、ルーカスに決定的なパスを供給した。

それぞれの選手を見るとがんばりを見せているF東京だが、それでも、いいときの「攻撃サッカー」を知っている者には、少し物足りなさを感じさせる。敵将ネルシーニョは試合後に「戦術的に両チームとも4分の1あたりからマークをしていた」と語ったが、全体的に見てF東京はボールを奪う位置がいいときよりも低く、特に前半は攻撃の迫力が半減していた。チームに馴染み切れていない新加入のササ・サルセードを先発から外し、「今まで慣れたやり方でまずスタートした」(原監督)F東京だったが、「もう一度自分たちのアグレッシブなサッカー、グラウンドを広く使っていい守備から入って、左右からどんどんクロスを入れていくサッカーを取り戻そう」(原監督)という試合前の意図の達成は十分ではなかったように感じられた。

一方、名古屋にとってはミス絡みの失点による痛いドローとなった。70分には縦に抜け出したササ・サルセードに訪れた決定的チャンスを、タイミングのいい飛び出しで阻み、CKからのジャーンの左足のシュートも身を投げ出して防いでいた楢崎。しかし、試合終了間際に今野が上げたクロスをうしろにそらし、ゴールにしてしまう痛恨のミス。名古屋サポーターからは試合後も温かい楢崎コールが送られていたが、挨拶に赴くその姿は痛々しかった。

それでも、藤田は「事故のような失点というのはどうしてもあるので、攻撃陣は2点以上取って、DFラインを安心させるというのが役目だと思う」と語る。確かに、失点は楢崎のミスによるものだが、なかなか効果的な攻撃を繰り出せなかったチーム自体にも勝ち切れなかった課題があるということなのだろう。前半はイージーミスと押し上げの遅さから攻撃のリズムをつかめず、またクロスの精度を欠くなど、前線にルイゾンというストライカーを置きながらも、決定的場面をほとんど作ることはできなかった。結局ルイゾンのこの日のシュート数はゼロで、「もっとチャンスがないと厳しい」と語る新戦力を活かし切れない結果に終わった。


以上

2005.08.25 Reported by 小川典子
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