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【J1:第18節 名古屋 vs 磐田 レポート】中村の2発で名古屋が磐田を完封。藤田は「作戦通り」のサッカーで古巣・磐田に『恩返し』。(05.07.25)

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7月24日(日) 2005 J1リーグ戦 第18節
名古屋 2 - 0 磐田 (19:04/瑞穂陸/16,483人)
得点者:'16 中村直志(名古屋)、'53 中村直志(名古屋)
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 ほぼ満員の瑞穂陸上競技場。アウェー側の磐田サポーターが、名古屋に移籍した藤田選手に向けて掲げた「俊哉、11年間ありがとう」の横断幕。いつもなら試合開始前からサポーターたちの激しい火花が散るスタジアムも、この日は微妙な哀愁が漂っていた、と言っては言い過ぎだろうか。

 いつもと違う緊張感が漂う、微妙な空気の中、試合は始まった。序盤からお家芸である華麗なパスまわしで、名古屋ゴールを脅かす磐田。しかし16分、藤田選手からのロングボールを受け取った中村選手が、ドリブルで中央に切れ込み左足でシュート。名古屋が先制点を奪う。しかも「押し込まれたときにカウンターで点が取れた。作戦通りだった」という形で。序盤こそ戸惑うような感のあった藤田選手だったが、この先制点をお膳立てしたことで何かが吹っ切れたように動きが良くなっていく。それに呼応するように、名古屋の選手たちも攻撃をペースアップ。何度か危機的な場面を迎えながらも「幸いなことにDF陣や楢崎が止めて失点を逃れた」(ネルシーニョ監督)。

 後半も立ち上がりこそ磐田に押し込まれるものの、早い時間帯(8分)にこの日2点目となる中村選手のゴールで突き放す。さらにボランチの吉村選手が名波選手をしっかり抑えて仕事をさせず、本田、クライトン、藤田と中盤の選手がボールを動かして攻撃につなげ、あるいは磐田の選手に対しプレスを効かせ、完全に磐田の戦意を喪失させた。
 特に2点を取った後の名古屋は「プロらしい気持ち、プレーで、強敵だと感じた」と名波選手が称賛したように、見事なゲーム運びで磐田を圧倒した。

 この日は日本代表ジーコ監督が視察に訪れ、兼ねてから名古屋担当プレス陣の間で「代表へ」という声の多かった中村選手が2得点の大活躍。「ジーコ監督にアピールできたのでは?」との質問に対し、中村選手は「自分のプレーをすることだけを考えて、その通り、自分のプレーができたと思います」と控えめながらも、らしいプレーでの得点でジーコ監督にアピールできたという自信をのぞかせた。

 対する磐田は、名古屋の俊足右サイドバック・杉本選手に翻弄され、堅守を誇っていた守備が崩壊。藤田選手を中心に、良くなっていく名古屋のプレーに、いつもの磐田らしくないミスや集中力が欠けたプレーを連発して2点を献上してしまう結果に。さらに好調だった前田選手をはじめとする攻撃陣も、押し込みながらもゴールを割ることができず不発に終わる。前節で3位に浮上した順位も5位に下げ「痛い敗戦」(山本監督)となってしまった。

 サッカー選手としてはもちろん、人間的にも素晴らしいと周りが讃える藤田選手を、今でも慕う磐田サポーターは多い。もちろん、名波選手をはじめとする磐田の選手たちにとっても、彼は大きな存在だったはずだ。その通り、11年間をともに戦ってきた彼が抜けた穴は、「技術とか戦術とかの問題ではなく、集中力が欠けていた」という山本監督のコメントが物語っていたように感じる。それは、赤のユニフォームが馴染んだ藤田選手がいる名古屋と対戦したことで、磐田の選手たちが気付いてしまった『心の穴』だったのではないだろうか。
 この敗戦で、磐田は精神的にショックを受けただろう。しかし、傷心に浸っているヒマはない。すぐにナビスコカップも始まる。王者復活を狙う強豪は、リーグ戦再開までにこのショックから脱出できているに違いない。
 そして藤田選手という素晴らしいプレーヤーを得た名古屋は、この中断期にまた上位へステップアップする足がかりを掴んだ。元ブラジル代表のFWルイゾンも加わった再開後、どんなチームに変貌を遂げるのか、楽しみだ。


以上

2005.07.25 Reported by 茂木美佐子
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