7月23日（土） 2005 J1リーグ戦 第18節
横浜FM 0 - 0 柏　（19:05／三ツ沢／14,450人）
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　明暗というほど露骨な裏表ではないにせよ、同じ勝ち点1でも、両チームの監督の表情は、かなり違って見えた。
「勝ち点3は取れなかったが、レギュラー2選手がいない状況で、チームのまとまりができてきた。守備における集中力も継続できていた」と手応えを口にした柏・早野監督。
　一方、仕方がないとは言いながらも「勝ちたかった」と口元を引き締めた横浜FM・岡田監督。柏の矢野対策として、センターバックの松田と中澤を左右入れ替えるなど細やかな対策も怠らなかった。また後半、4バックから3バックに、さらに2バックにしてまでゴールに執念を燃やしたところからも、勝利の必要性をはっきり認識していたのだろう。

　前半、チャンスの数で上回っていたのは横浜FM。ロングフィードをディフェンスの裏に送って、坂田が絡んでいく。9分の松田のロビング、12分の上野のパスと、ともにややバックスピンがかかっていたために相手ディフェンスは処理が難しくなり、そこをうまく坂田が突いて柏ゴールを脅かした。
　対する柏は左サイドの平山が主体。効果的なサイドチェンジからクロスを何度も送る。そして得点のチャンスは25分だった。左からの玉田のFK。リバウンドを小林亮がダイレクト・ミドル。鋭いライナー、しかも柏の選手がブラインドになっていたが、横浜FMのGK榎本哲は、素晴らしい反応で弾き出した。
　すると1分後には横浜FMのチャンス。右サイドの清水からのパスを山瀬功がうまくトラップ、浮かしてから右足でシュート。ボールは僅かにポストの左に外れた。43分には左からのCK。ドゥトラのキックはファーポストに。これを松田がヘディングで合わせる。しっかりと地面に叩きつけられたボールだったが、ワンバウンドしてクロスバーを越えた。

　ここ3試合で9得点の柏だが、前半、光っていたのはディフェンス。とくに薩川、土屋の両ベテランは左右のストッパーとして激しく、そして、ていねいに横浜FMのトップに対応。シュートコースに対してもいち早く身体を寄せて防いでいた。

　後半、まず横浜FMの攻勢。4分に中西のロングフィードを上野が身体をひねりながらのヘディングで坂田にパス。ゴールを背にしてこれを受けた坂田は、トラップして即座に反転、左足でシュートを放った。すると今度は柏。右、玉田のCKをニアで李がキープして左足で狙う。
　61分には、横浜FMにとってこの試合最大の決定的なシーン。左からのFK。大橋が右足で軽くカーブをかけたところを那須がヘッドでジャストミート。GK南が反応できないほどのジャスト・タイミングだったがボールはワクをとらえきれず左に外れた。
　チャンスを逃した横浜FMだが、さらに強気に攻めるために19分久保を投入。25分には波状攻撃を浴びせる。そして35分近くには那須を下げて3バックにシステムチェンジ。36分、右サイドからの折り返し。田中隼のクロスをGK南が懸命に弾いたボールがゴール前に転がったが、詰めている選手がいない。残り5分になった頃には松田を上げて3トップ、後ろは2バックに。ロスタイム、那須のクロスを久保がマーカーを引き連れ、空いたところに上野がうまく飛び込んでヘッドで狙ったが、左上に外れた。

　0-0のドロー。柏の収穫は、下がりながらも、押されながらも完全に崩されなかった守備力。これで3試合を無失点で乗り切った。一方の横浜FMは2試合続けてのノーゴール。坂田の頑張り、上野と山瀬功のハイレベルな連係などプロセスはいいとして、ネットが揺らせない。サイクルを好転させる特効薬は、久保というスーパー・パーツの完全回復しかないのだろうか。


以上

2005.07.24 Reported by 池田博人（インサイド）