7月23日（土） 2005 J1リーグ戦 第18節
Ｇ大阪 4 - 1 Ｃ大阪　（19:01／万博／22,232人）
得点者：'9 鶴見智美（Ｃ大阪）、'43 アラウージョ（Ｇ大阪）、'63 アラウージョ（Ｇ大阪）、'70 橋本英郎（Ｇ大阪）、'83 遠藤保仁（Ｇ大阪）
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「次、次。次こそ勝ってやぁ」。試合後、ピッチを横切ってチームバスに向かう選手に向けて、セレッソのサポーターから悲壮な声が掛けられた。スコアは1-4、先制したものの前半のうちに追いつかれ、後半に入ってからは3点を叩き込まれた。
4失点の場面以外にもいくつも決定機を作られた。ピッチを躍動した青のユニフォームを追いかけ続ける展開に、両者の力は点差以上にあるのではないかと感じさせられた。「ヤット（遠藤保仁）とかに中盤でいいようにやられたね。集中が途切れたわけじゃないけど、だめだね、もったいない」。引き上げる西澤明訓がうめいた。

「ガンバのいいところは攻撃。それを前面に出してくるはずだから、何とか抑えて先制点を取りたい。先行できればうまくいくはず」。小林伸二監督は試合前に語っていた。その目論見どおり、先にゴールを奪ったのはセレッソのほう。9分、久藤清一の左CKからDF鶴見智美がヘディングで叩き込んだ。
シーズン途中に清水から移籍してきた鶴見にとって、この試合がセレッソで初めての先発出場であり、今季初得点。うれしさはひとしおだったろうし、チームの士気も上がったはずだ。しかし、先制して以降さらに引き気味になったことから、次第に相手にボールを支配されるように。そし43分、ガンバ・アラウージョに突破を許し、追いつかれてしまった。

後半開始から大黒将志を投入し、アラウージョ、吉原宏太とともに3トップ気味にしてきたガンバに対し、セレッソは明らかにばたついてしまった。バックラインは、負傷者が続出しているのに加え、前節まで出場していた山崎哲也が出場停止。本来はボランチの下村東美と初スタメンの鶴見が左右のストッパーとして出場していた。ボランチのファビーニョも出場停止で、開幕から右アウトサイドを務めていた久藤清一が急きょこのポジションに。よって右アウトサイドには廣山望が今季初めて先発出場…。「非常事態」といってよかった。「欠場者が多かった影響は少なからずあったと思う」と、下村。ディフェンス陣は急ごしらえの感は否めなかった。

特に2点を献上したアラウージョに手を焼いた。「常に隙を狙っている選手なのだから、1失点目もそうだけど、僕を含めてみんなが局面できっちり対応すべきだった。FKからの2失点目も、マークがきっちりついていなかった。際のところでの集中を90分間続けないと、こんな結果になってしまう」と反省していたのはGK吉田宗弘。
80分になって、右サイドバックに藤本康太を入れて、アラウージョをケアしたものの、すでに3点を失ったあと。相手の攻撃を警戒するあまりラインが下がり、前線では西澤が孤立。結局、点差を縮めることさえできなかった。

これで大阪ダービーは2連敗。いずれも4点を奪われる屈辱の内容に終わった。立錐の余地もないほどぎっしりと応援席を埋めたセレッソ・サポーターたちの心情を思うと胸が痛む。
「今日は前回のホーム（のダービー）のときより覇気がない感じがした。負けているのだからもっと追わなきゃいけないのに。技術うんぬんより気持ちの問題のような気がする」。ライバルにこれ以上離されないうちに、セレッソは早急に手を打つ必要がある。「大阪ダービー」はあと2試合も残っている…それもわずか2週間ののちに。


以上

2005.07.24 Reported by 横井素子