7月2日（土）J1 第13節 大分 vs 横浜FM（19:00KICK OFF/大分ス）
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今月10日、サポーターから愛され、慕われてきたパトリックの契約満了による退団が発表された。積極的に日本語を覚え、サポーターとの交流も熱心に行っていた選手だけにファンの衝撃は大きい。ただし皇甫官監督の求めるプレーができていなかったということもあり、退団は仕方ない部分があるのも事実だ。ちなみにそのパトリックの契約期間は7月14日まで。出場機会があるかどうかは皇甫官監督の方針にかかっているが、パトリック自身が出席した契約未更新の記者会見で残り少ない大分トリニータでのプレーに全力を傾けることを表明しており、サポーターとすれば大分での最後の日々のプレーを目に焼き付けておきたいところだろう。

そのパトリックを外し、最終ラインを4バックに変更して大分は安定した戦いを見せてきた。巻き返しの中心となったのは柴小屋雄一と深谷友基の若いセンターバックコンビ。まだプレーには荒削りな部分が散見され、安定した戦いができているとは言い難い部分もあるが、それでもJ1で結果を残しつつあるのは立派。そういう意味では、今節、深谷が出場停止処分を受けたのは痛いところだ。ちなみにその深谷の代わりに入るのは三木隆司が有力と思われる。

中盤はここまでの戦いの中で確固たるメンバーが固定されているわけではないが、積極的に若い選手を登用して、経験を積ませる皇甫官監督の采配は将来につながるはず。なかでもボランチで小森田友明とコンビを組むことになりそうな川田和宏には注目したい。

また、ワールドユース帰りの西川周作の先発の可能性は少ないと思われるが、16人へのメンバーには入りそう。出場機会がいきなり転がり込むことはなさそうだが、大分期待の星だけに今後の活躍に期待が集まる。

大分は、マグノアウベスを中心とした攻撃陣は力を持っており、4バックに変更して以降、固い守りの中でチャンスを窺ってきた。この試合ではマグノとドドの2トップにケガから復帰の高松大樹がどう絡んでくるのか楽しみにしたい。

その大分とアウェイで対戦する横浜F・マリノスはリーグ戦と平行してACLを戦うなど、コンディション維持の難しさがそのまま試合結果に出た形でなかなか勝ち点をのばせない戦いが続いていた。そうした現状に対し、岡田武史監督はリーグ戦再開に当たってシステムを4-4-2に変更してきている。目先の勝ち点を狙うわけではなく、レベルアップを狙ったというシステム変更に対し、那須大亮の「3枚より面白い」という言葉に代表されるように選手たちの士気は高い。

ただし最大のポイントはシーズン中のシステム変更をスムースに結果に結びつけられるのかということ。そういう意味でこの大分戦は今期の横浜FMの戦いを占う試金石になる。結果がほしい試合となるが、過去の大分との相性を振り返ると圧倒的な力の差を見せつけてきたわけではないのが気になる。特にビッグアイでの対戦成績は2戦2分けと油断できない試合になりそう。

横浜FMとの契約を延長した中澤佑二や久保竜彦のケガからの回復具合が気になるが、この試合での出場は微妙か。特に久保に関しては、右膝の具合が思わしくなく、試合出場は難しそうだ。首位を走る鹿島アントラーズの影ははるか彼方に見える状態だが、反転攻勢に向けて幸先の良いリスタートを切りたいところ。システム変更を決断した岡田監督の判断がどう転ぶのだろうか、注目したい。

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2005.7.01 Reported by 江藤高志