日本代表は、FIFAワールドカップドイツ本大会の出場権を手土産に、コンフェデレーションズカップ2005に乗り込んだ。アジアの壁を突破した日本代表が、チーム・個人として“世界の強豪相手にどこまで戦えるのか”“現時点での課題と展望は何か”を確認するのが今大会の焦点であった。結果は1勝1敗1分で惜しくも予選敗退を喫してしまったが、チームとしても個人としても強豪相手に決して引けをとらないことを証明できた。その世界を魅了し驚かせた代表戦士たちが、再開するJ1の舞台へと帰ってくる!今回はその中でも注目の3選手に焦点をあてた。再開後の6節で彼らがどんな活躍を見せてくれるのか期待は高まるばかりだ!
○大黒将志(G大阪)
どんな質問を投げかけても最後は「ゴールしたい」という結論に結びつけ答えてきた大黒将志の、そのどん欲なまでのゴールへの姿勢が結果を出した。ブラジル戦の土壇場での同点ゴールは、スタジアムを興奮のるつぼに変え、試合の評価そのものにも大きな影響を与えている。ドイツ人をして「ファンタスティック」と言わしめた立役者の一人だろう。
北朝鮮戦やギリシャ戦での決勝ゴールなど印象深い場面での活躍は記憶に新しいが、ジーコ監督が彼を先発のピッチに送り出したのは一度きり。そうした状況下でも「それは監督が決めることですし、チャンスをもらったら結果を出したい」と常に前向きなコメントを口にし続けてきた。チャンスをもらえなくとも腐らない。そして常に練習からでも全力でぶつかる。そうした努力の積み重ねが、彼のストライカーとしての資質を開花させ、代表を救った。抜群の動き出しのタイミングそしてポジショニングの良さからゴールを狙うのが彼の特徴だ。一瞬にして並み居るDF陣を切り裂く鋭さは世界のDFを相手にも十分に通じることが分かった。FWの得点力不足とはもう言わせないその決定力も世界で十分に通じるものだった。
現在Jリーグでの得点ランキング首位の大黒が、G大阪に帰ったときにどのようなプレーを見せてくれるのか。世界で得てきた経験をJの舞台でも魅せてくれることに期待して、リーグ戦の再開を待ちたいと思う。G大阪のHOTなFWから目が離せない!
○加地亮(F東京)
ジーコジャパン不動の右サイドとして、その地位を固めた加地亮は、コンフェデレーションズカップでの3試合を通じて、その存在を世界へ強くアピールした一人だ。そもそも加地は高い持久力を持ち、タッチライン際を縦横無尽に走り回れる選手だった。しかし今までは、一つ一つのプレーや判断で安定感を欠く場面が見受けられた。しかし、W杯最終予選に続いて行われたこの大会で加地は大きな進化を見せた。
メキシコ戦の、柳沢敦の先制点を生み出した高速低空クロスもさることながら、小笠原満男からのパスのタイミングを見計らった前戦への飛び出しがあの得点を生み出す大きなポイントだった。
またブラジル戦では、オフサイドの判定に泣かされた幻の先制ゴールを筆頭に攻撃面での鋭さ見せ、ブラジル代表を相手に2点を奪う善戦に貢献した。大会を通じて、1対1での判断の良さやクロスの精度が加わり、日本代表の大きな武器となって行ったという印象がある。そもそも彼は練習では非常に高い精度のプレーができていたことを考えると、ジーコ監督の指導の下、高いレベルでの実践経験を積むことで自信を付けてきたということが言えるのだろう。
さて、6月のハードな代表のスケジュールがここでリセットされ、次はJリーグへと活躍の舞台を移す。所属するFC東京は、ケガ人の多さなどの影響をもろに受け低迷を続けているが、そのチームの中で、ブラジル代表を筆頭に世界のトップレベルの選手との対戦の経験や自信をつけて一回りも二回りも大きく成長したそのプレーでチームの救世主的な活躍を見せてほしいところだ。FC東京の右サイドが7月のJリーグをアツく盛り上げる!
○宮本恒靖(G大阪)
ジーコ監督は宮本のことを「リーダーシップを持ち、自然の流れの中でチームをまとめていく能力を持った選手」と褒め称えた。宮本のピッチ内外での存在を称しての言葉だ。そしてその言葉を証明するかのように、ジーコ監督は彼に全幅の信頼を寄せ、3枚と4枚を使い分けた最終ラインの中心に常に彼を起用した。そして宮本は、見事その期待に応えた。冷静なヨミによる的確なカバーリング、細かなポジション及びライン修正でDFラインを統率した。また彼は攻撃の起点となるDFラインからのビルドアップの能力にも秀でたものがあり、ワールドカップアジア最終予選及びコンフェデレーションズカップを通してその能力を如何なく発揮した。
ブラジル戦を終えて宮本は「今は3枚でも4枚でも変わらない。このやり方でもある程度できる自信も持てた。こういうレベルの相手ともっとやりたかった」と振り返っている。代表チームの中で作り上げてきた自信と経験が、サッカープレーヤーとしての本能の中にある、より強いチームとの対戦を求めそれが口をついて出てきたのだろう。
代表チームではプレーでも精神的にも頼れるキャプテンとしての立場を確立した宮本だが、G大阪に帰れば先発争いの厳しさが待っている。チームも首位鹿島とは勝ち点差10をつけられ、難しい戦いが待っている。ただ、ロナウジーニョ、カカ、ロビーニョなど世界最高のアタッカー陣を相手にしてきた経験は必ずやチームへ活かされるだろう。どんな逆境の中でもクールに対応してきたその適応力をJ1の舞台で見せてくれるはずだ。
Reported by 江藤高志
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