6月25日(土) 2005 J2リーグ戦 第18節
鳥栖 1 - 1 徳島 (19:00/鳥栖/11,631人)
得点者:'1 新居辰基(鳥栖)、'50 羽地登志晃(徳島)
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今季、初のナイトゲーム開催となった鳥栖スタジアム。開幕戦以来の1万人を超えたサポーターを飲み込んだ。
心地よい夜風が吹く中、鳥栖対徳島戦が行われた。鳥栖は単独2位にとなる可能性を残し、徳島は上位進出を図る一戦となった。結果から言うと前半は鳥栖ペース、後半は徳島ペースと図ったように分け合った試合だった。
連敗中の鳥栖、この試合にかける意気込みは平日の練習からも伝わってきた。トレーニングマッチでも結果を出し、徳島を想定した戦術確認を何度も行っていた。その成果は前半開始早々に現れた。
試合開始の笛がなったと同時に鳥栖の選手たちは一斉に徳島陣内に走りこんだ。2トップは徳島DFの裏を狙い、中盤は細かなパスを回してポジショニングを入れ替えた。開始1分には、右サイドでプレーすることの多い宮原が左サイドでボールを受けるとDFの高地が外から追い越しセンターリング。ファーサイドに流れた新居にピッタリと合って先制点が生まれた。
『タツ(新居)の動き出しが見えたので、蹴る場所は決まっていた』(鳥栖・高地)、『いつも通りのこと』(鳥栖・新居)と日頃の練習の成果が現れた。確かにボールが宮原に入ったときに、新居の動き出しが始まっていた。高地は全速力で左サイドを駆け上がっていた。今季の好調さを支える要因が先制点になって表れたのだから、俄然鳥栖に勢いがつく。何度も徳島のゴールに迫り、追加点は時間の問題と思われた。自然とスタジアムに集まった多くのサポーターのボルテージも上がっていった。
しかし、『決定機を何度も逃しているときがいちばん危険』(鳥栖・松本監督)という予感が的中する。後半は一転して徳島が鳥栖ゴールに襲い掛かった。
前半、成す術もなかった徳島は、後半には高い位置でのボール回しを意識した。『失敗を恐れず、積極的に仕掛ける』(徳島・田中監督)の檄のもと、選手は積極的に仕掛けて行った。この仕掛けに鳥栖の選手たちは身体を張って阻止しようとするが、FKを与える機会が多くなりDFラインが下がり始めた。FWとMF、MFとDFの距離が少しずつ伸び始めると徳島の分厚い中盤が活きて来る。FW羽地に様々な形でボールが集まりだした。開始5分の好機をベテランの秋葉が見て取って、羽地に縦パスを通した。オフサイドをかけた鳥栖DFに対し、羽地は身体を反転させてGKと1対1となった。自信を持ってかけたオフサイドトラップと流れをつかんだ中の縦パス。勢いは徳島にあった。羽地は右足でGKの脇を狙い、同点となるシュートを鳥栖ゴールに流し込んだ。この後も、羽地は積極的にシュートを放ち、伊藤は何度も鳥栖ゴール前に顔を出した。
試合開始から、鳥栖は自慢とする両サイドDFの上がりが何度も見られた。細かなポジションチェンジで徳島の中盤を翻弄した。コースが開くとロングシュートを放った。決定的なチャンスを何度も演出した。飛ばしすぎではないかとも思われるほど、よく走り回っていた。『狙い通りの45分』(鳥栖・松本監督)と言わしめた。後半に臨むにあたり、戦術的な修正はほとんど無用な戦い方だった。
しかし、下位とは言え徳島もこのままで終わらせるわけがない。後半にどのような修正を行うのか、鳥栖は予想しただろうか? 反撃を予想して守備での約束事は確認できていたのだろうか?
ラインが間延びし始めた時、セカンドボールが拾えなくなってきた時、システムが変更された時、新たな選手が入ってきた時…様々な対応が求められる。ゲーム中に危険を察知して修正することができないようだと上位グループにとどまる事は難しい。
勝ち点27で4チームがひしめく2位グループ。3位以下の勝ち点差もごくわずかである。ここで踏ん張ることが、自分たちのためにも、多くのサポーターのためでもあることをもう一度思い出してほしい。
次節のホーム戦にも多くの人たちが集まることだろう。もう一歩成長した鳥栖を見せてほしい。
以上
2005.06.26 Reported by サカクラ ゲン
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