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【J2:第18節 草津 vs 湘南 レポート】草津、思い出深い群馬県営サッカー場のフィナーレを飾る勝利。(05.06.25)

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6月25日(土) 2005 J2リーグ戦 第18節
草津 1 - 0 湘南 (14:00/群馬サ/3,211人)
得点者:'87 山口貴之(草津)
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気温35度、ピッチ上の体感気温は40度以上、さすがの湯もみ娘もグッタリという灼熱の状態だった群馬県立敷島公園県営サッカー・ラグビー場。過酷なコンデションの中で行われた草津対湘南戦の草津側スタンドは、87分に草津・山口が決勝点となるPKを決めたことにより、その温度が一気に「沸点」に達した。草津はどうしても勝ちたかったゲームで勝利を収め、このスタジアムでのラストマッチに白星という花を添えた。

ゲームの立ち上がりは、押し込む湘南を草津が受けるという構図。9分、柿本が中盤でボールをさばくと、そのまま前線へ飛び込みヘッドでゴールを狙う。2トップの1人が中盤まで下がることでスペースを作ろうとした湘南に対して、草津は対応に追われる。「FWが交互に下がっていくというプランだったが、途中からは相手にうまく対応されてしまった」(湘南・梅田)。20分過ぎからは、草津も山口を起点に反撃に転じる。27、30分には樹森のポストプレーを受けた吉本が立て続けにミドルシュートを放つなど次第にペースをつかむ。草津は前半途中から積極的にラインを上げコンパクトにすることで湘南を囲い込んだ。

後半のポイントは、加藤が存在感を見せる湘南の右サイド、すなわち草津の左サイドでの激しい攻防だった。ハーフタイムに上田監督は「右サイドをもっと使え」と指示。それに対し、草津・手塚監督は「加藤のポジショニングで寺田が押さえ込まれていた」とサイドの打開策を探る。先に動いたのは湘南。梅田、坂本に代え、高田、永里を投入。それに連動して、加藤は右からトップ下へと自由にポジションを代える。それを見た手塚監督は71分、寺田に代えて高須を投入し勝負に出る。「途中出場だったので、ここで絶対にアピールしてやろうと思った」という高須は、大きく開いたスペースに果敢なドリブルで切り込む。75分には高須から鳥居塚につないだボールを吉本が、ゴール前に飛び出した山口へフワリとしたスルーパス。惜しくもオフサイドにはなったが、湘南の守備を完全に崩していた。

 PKを指すホイッスルが吹かれたのは87分。左サイドで湘南・鈴木と対峙した高須は、縦に行くと見せかけて内に大きく切り返し。相手をかわすと、左足のアウトサイドを巧みに使って、ペナルティエリア内に走りこんだ山口へスルー。マークについたバリシッチがたまらず後ろから倒した。ボールをセットした山口は、ゴールマウスのド真ん中へ迷わず叩き込み、暑さの中での厳しい勝負にピリオドを打った。湘南は、またしても波に乗るチャンスを逸した。上田監督は「大事な試合だっただけに残念」と言葉も少なかった。
 
 草津は、確実に成長している。リーグ序盤、大量失点により黒星を積み重ねたチームの姿はない。「やっとサッカーになってきた。もう大崩れはしないと思う」(山口)。しかしながら、90分間を通じての安定した守備の構築など課題は残る。また、最近の2勝はともにPKによる得点での勝利。「流れの中で点を取れるようにしたい」と鳥居塚が話すように、攻撃陣はもう一段上のステップにのぼる必要がある。

群馬県立敷島公園県営サッカー・ラグビー場での試合は今日が最後となった。草津の選手たちがここで学んだことはあまりにも多い。Jの洗礼を受けた3月5日の開幕・山形戦から、今節・湘南戦までのホーム10試合の戦績は2勝2分6敗。スタジアムに設置された仮設スタンドは近日中に撤去されるが、このスタジアムで草津が挙げた2つの勝利はサポーターの心の中でいつまでも輝き続ける。


以上

2005.06.25 Reported by 伊藤寿学
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