5月21日(土) 2005 ヤマザキナビスコカップ 第3節
F東京 0 - 1 千葉 (15:03/味スタ/13,853人)
得点者:'20 ポペスク(千葉)
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原監督はこの日、敬愛するスペインではなく、イングランドに倣った。ダニーロ、近藤を2トップに置く、4−4−2のフォーメーションを採用。ただ、それはアーセナルのような華麗なパスワークとポジションチェンジを駆使する魅力的なサッカーをするためではない。古き時代のイングランド式。自陣に2枚の壁を作り、ポジションを固定して相手の攻撃を迎え撃つ、穴熊戦法。「今のうちは点をとられると苦しい」と、原監督が考えた末に選んだ戦術だった。
試合は原監督の狙い通りに進んだ。F東京は相手陣地にあるボールには目もくれず、自陣で構えてひたすら相手が来るのを待ち、一定のラインを飛び越えて来たらすぐさまチェック開始。さながら警報装置作動といった具合だ。F東京がそのような調子なので、千葉は当然のように圧倒的にボールを支配するものの、あそこまで自陣を固められては、自慢の『ムービングフットボール』もいまひとつ機能せず。当たりに来ないので、いいところまでは簡単に運べるが、ゴール前ではバケツリレーのようにボールを右から左、左から右へと動かすだけで、密集地帯のエリア内にはそうそう持ち込めない。試合がこう着状態になるのは必然だったし、それは勝利のために『1週間前から取り組んできた(石川)』F東京の、前半を捨てた構想どおりの戦いだった。
ただ、やはり自信のなさが顔を覗かせてしまった。20分、F東京は林にくさびのボールが入ったときの対応が遅れ、さらに前に飛び出してきたポペスクへのマークを忘れ、フリーのポペスクがそのまま初ゴール。確かにポペスクのシュートはファインゴールの部類に入れてもいいが、先制点を許さないことに犠牲を払ってきたF東京(前半のシュートは2本)にとっては、詰めの甘い対応だった。
これで点を取らないといけなくなったF東京は後半から戸田を投入し、古きイングランドスタイルも捨てる。ついでに千葉のお株も奪う。ポジションチェンジを繰り返しながら分厚い攻めを繰り出し、逆に『ムービングフットボール』をピッチ上に描いてみせた。後半のシュート数、F東京の7本に対し、千葉は3本。しかし…。
「点は決めてないけど(石川)」
「点を取れればよかったけど(金沢)」
「あれで点が取れない(原監督)」
結局のところ、行き着く先はここだった。守備を固め、最少失点で前半を乗り切り、後半からは猛攻撃をかけた。石川が、今野が、戸田が何度もチャンスを作った。ところがフィニッシュが決まらない。シュートが枠に飛ばず、決定機では勇気を欠いた。点を取ることが仕事のFW近藤は、サポーターから「シュート打て」のコールを受けてしまった。そして、試合は0−1で終了した。
F東京の選手たちからは、「このまま続けていければ」との声が多く聞かれた。確かに流れは作れたし、決定的な場面は何度も迎えた。『完全に違うふたつのハーフでした』とオシム監督が語ったように、F東京は勝っていてもおかしくなかった。だが、現実は0−1。しかも、このような試合は1度や2度ではない。F東京はイメージ通りのサッカーをすることで、逆に抱える問題の深さを露呈してしまったような気がしてならない。
2005.05.21 Reported by 神谷正明
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