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【J1:第11節 広島 vs 横浜FM プレビュー】主力を温存して臨む横浜FMに対し、広島がスピリットを見せて戦うことができるか。(05.05.08)

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5月8日(日)J1 第11節 広島 vs 横浜FM(15:00KICK OFF/広島ビ)
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-スターティングメンバーは、試合開始約2時間前に各試合のスコアボード「試合詳細」に掲載されます-
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 Jリーグ規約第42条には「最強のチームによる試合参加」を各Jクラブに義務づける規定がある。その第2項によるとJクラブは「直前のリーグ戦5試合のうち、1試合以上先発メンバーとして出場した選手を6人以上」含んだメンバーを、先発として起用しなければならない。さらに、日本代表・五輪代表・ユース代表に選出された選手や外国籍選手(C契約をのぞく)などは、例外としてみなされる、と「第42条の補足基準」にもある。
 
 どうしてこういう堅苦しい話題をこのプレビューに書かなければいけなくなったのか。それは、横浜FMの岡田武史監督が「可能な限り、広島戦は主力を休ませたい」とコメントしたからだ。日本最高峰の戦いの舞台であるJ1リーグ。本来であれば、最強メンバーで臨んで当然だ。しかし、横浜FMの場合には、事情がある。
 それは、アジアチャンピオンズリーグ(以下ACL)での戦いである。ただでさえ、4月から5月は、Jクラブにとってはウィークデーにも試合が行われる厳しい日程。しかも横浜FMには、他のチームが休息できる週にもACLのゲームが組まれている。4月2日の対新潟戦から5月15日の対浦和戦まで、彼らは13連戦中なのだ。しかも、対広島戦から中2日の5月11日(水)には、中国でACLグループリーグ現在首位の山東魯能秦山戦が待っている。決勝トーナメント進出には絶対に勝たねばならないこの大一番を迎えるにあたって、疲労困憊している選手たちをどうしても休ませる必要がある。そのため、岡田監督は苦渋の選択をせざるをえなくなったのだ。
 前記のいわゆる「ベストメンバー規定」により、完全なサテライトチームをリーグ戦で起用することは、できない。しかしこの規定を横浜FMの現状に当てはめると、直前5試合で先発したメンバー16人+外国籍選手(アデマール)+日本代表(久保竜彦)+アテネ五輪最終予選メンバー(山瀬功治)のうち、6人を出場させればいい、と解釈することもできる。そして情報では、ドゥトラ・田中隼磨の両翼、負傷から復帰して以来絶好調を維持している安貞桓、守備の要・松田直樹。そうそうたるメンバーが広島遠征から外れることが予想されているわけだ。
 
 このことを、広島側がどうとらえるか。勝利へのビッグチャンスという見方もできるし、「ナメられている」と憤ることもできよう。しかし、ここで広島が忘れてはならないのは、それでも横浜F・マリノスというチームは「強い」ということだ。例えば、安や大島が出場せず、久保の復帰も無理ということになっても、FWには坂田やアデマール、清水もいる。奥がいなくても、山瀬功が戻ってきている。松田がいなくても、中西がいる。さらに中澤が怪我から戻ってきて広島戦で復帰を果たす可能性もある。J1でも十分に戦えるメンバーをそろえることは、このチームならば可能なのだ。まして彼らは、主力組よりも疲労は蓄積しておらず、何よりも試合出場に対するモチベーションが高い。心身ともにフレッシュな状態の彼らのほうが、疲労困憊の主力たちよりも、いいパフォーマンスが期待できる可能性もある。
 
 広島は、確かにこの6試合で4勝2分と好調を維持し、現在3位と上位も堅持している。しかし、ここで広島が思い出さないといけないのは、1999年シーズンだ。この年のファーストステージ、広島は開幕3連敗のあと4連勝。4試合で得点10失点1という圧倒的なパフォーマンスを見せ、首位・磐田の後ろ姿も見えてきていた。次の試合は、7試合で5敗を喫していた神戸。戦前予想は圧倒的に広島有利だった。
 しかし、チームの中で「神戸には勝てる」という油断がまん延してしまったため、結果は2-5の完敗。広島の上昇気流はこの試合をきっかけにして、しぼんでいったのである。
 もし広島が、メンバーを落としてきた横浜FMを甘く見てしまうようならば、1999年シーズン同様、大きな罰が待っているだろう。まして距離の長い移動のため広島の選手を疲労が襲い、前節・千葉戦における身体の切れは目に見える形で低下していた。フレッシュな横浜FMの選手たちに気圧される展開になってしまうと、せっかく広島がここまで築き上げてきたものが瓦解してしまう可能性もある。
 
 前節、怪我で交代した2試合連続ゴール中の佐藤寿人も、今節の出場には問題ない。休養を与えられていた前田俊介も満を持しているし、森崎浩司も復帰を果たしている。
 優勝を狙う、と公言している以上、ホームでは勝つことは最低限の条件。まして相手に問題が起きている状況には、それを利用してしっかりと勝ち点3をとるという抜け目のなさが、絶対に必要だ。相手のメンバーがどうこうという邪念を捨て、広島が挑戦者精神で目の前の試合に全力でぶつかることができるか。それが、この試合の大きなカギを握るだろう。


以上

2005.05.06 Reported by 中野和也
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