5月8日（日）J1 第11節 鹿島 vs 東京Ｖ（15:00KICK OFF/カシマ）
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トニーニョ　セレーゾ監督が嘆いた11日間で4試合を消化するハードスケジュールも、8日の東京V戦で終わりを迎える。前節のF東京戦は2対0の完勝、2位名古屋との勝ち点差は今季最大の7に開いた。4シーズンぶりの優勝へ向けて、視界良好といえるだろう。とはいえセレーゾ監督は「首位にいることには満足しているが、道のりは長い。私としてもチームとしても、浮かれているつもりはない」と締まった表情を見せる。

順位表のいちばん上にいる喜びとは裏腹に、指揮官の悩みは深い。続出する負傷者。アレックス　ミネイロ、野沢、深井、興梠、フェルナンド、新井場、石川……。「ケガ人が出ないように、毎日、祈っている」とセレーゾ監督はF東京戦後、力なく語った。
だが、選手たちは現状をポジティブにとらえている。ゲームキャプテンの小笠原が「試合に出た人が頑張るのがウチの良さであり、他のチームとは違うところ」と話せば、3試合3得点と好調の本山も「もし僕が出られなくなったとしても、新しく出た選手が僕以上の働きをしてくれるチームですから」と余裕を見せる。これまで、鈴木の離脱した穴を野沢が埋め、野沢の故障により深井が、そして前節は興梠が存在感を発揮した。日替わりでヒーローが誕生し、首位を堅守してきたのが今季の鹿島でもある。今節は大幅なメンバーの入れ替えが予想されるが、リーグ戦中断までの2試合をチーム一丸となって乗り切りたいところだ。

今節の相手は東京V。警戒が必要なのは、10試合で8得点を上げ、得点ランキングトップのワシントン。加えて、左サイドからの正確なクロスでチャンスを作り出す相馬も要注意だ。
東京Vについて、ボランチの青木は「パスをつないでくるチームだという印象があります。パス交換からのサイド攻撃、そしてワシントンに合わせる形ですね。ウチにはヘディングの強い（岩政）大樹さん、大岩さんがいるので、セカンドボールを僕らボランチが拾えるかどうかがポイントになると思います」と対策を語る。

ワシントンとマッチアップする岩政は「あれだけの選手ですから、楽しみですね。あまり体を付けすぎないで上手く対応したい。ビデオで見るのと実際に体をぶつけてみるのとでは違うので、戦ってみないとわかりませんが、思い切ってやれると思います」と対戦を心待ちにしている。また、東京Vの相馬については「あいつのことは大学時代から知っていますから。プレーの特徴も、クロスの軌道も。やらせないようにしたいですね」と秘めた自信を覗かせる。

8勝1分1敗で首位を走る鹿島とは違い、東京Vは2勝5分3敗の15位と苦しい状況にある。現在は、5節から8節までの4試合で13失点を喫した守備の建て直しを図っている最中だ。ここ2試合はアルディレス監督の口癖でもある「ソリッドな守備」の意識がようやく浸透してきて、前節、リーグ戦では8試合ぶりに相手をゼロに抑えた。

「ソリッド」とは堅い、強固などの意味を持つ。鹿島の総失点7はリーグトップタイ。守備に関してはもっともソリッドなチームといえるだろう。堅守を誇る鹿島と、守備をテーマに臨む東京Vとの対戦。果たして、試合は我慢比べになるのか、それとも……。


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2005.05.06 Reported by 鈴木智之