5月8日（日）J1 第11節 柏 vs 新潟（15:00KICK OFF/柏の葉）
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　ゴールデンウィークの真っただ中に行われた5月4日のアルビレックス新潟と川崎フロンターレの試合。アルビレックスの聖地である新潟スタジアムビッグスワンに4万1,422人の観客を集めて行われたゲームで、逆転勝利を収めた新潟の反町監督は目にうっすらと涙を浮かべながら興奮気味に語った。
「（アンデルソン　リマのFKは）素晴らしいです。彼はその才能においてはベッカムと同じ。今までのチームにないスピリットというもの、アルビレックス魂が随所に見れて良かった」。
　後半36分、ペナルティエリアぎりぎりのラインで鈴木慎吾がフリーキックを得た瞬間、鈴木に代えてフリーキックのスペシャリストとして鳴り物入りで入団を果たしたアンデルソン　リマを投入。緊迫した雰囲気のなかでリマがこの試合最初のプレーで見事に逆転弾を叩きこんだのだから興奮するのも当然のことだ。

　前節、サンフレッチェ広島相手に0-5で敗れた悪い流れは、大幅にメンバーを代え、システムを変えた試合で劇的に勝利したことで完全に断ち切れたはずだ。
　冴え渡る反町采配に選手だけではなく、ファンもマジックをかけられている思いだろう。盲目的な支持を集めているとき、監督がふるう采配にはすべてがプラスに作用する力が生まれる。まさに勢いに乗って、柏の葉に乗り込んでくる新潟をホームに迎え入れる柏レイソルは怖い相手との一戦を迎えることになる。

　一方の柏は新潟が広島に大敗を喫した日、同じく磐田相手に0-4と敗れた。
内容はあったが試合に敗れたことによって前代未聞の乱闘事件が起きた名古屋戦（7節・ホーム）でブーイングを浴び、気迫で勝利したF東京戦（8節・アウェー）でファンの温かいサポートを受けた柏の選手たちは、完敗した磐田戦（9節）ではブーイングも受けたが、それ以上の激励の拍手を受けていた。
　しかし大敗という結果を受け、新潟の反町監督がそうだったように早野監督も大宮戦（10節）を前に英断を下し、前節からスタメンを5人を入れ替えて試合に臨んだ。しかし結果は0-1に終わり、試合後はゴール裏からのブーイングを浴びた。

　柏にとって、大宮戦の立ち上がりは決して悪いものではなかったが、チャンスは作れどゴールを決められなかったのが敗因だ。攻撃面でいい流れを作り出したが勝利という結果を得られなかった選手たちを、今節は出場停止明けとなるMFクレーベルと入れ代えるのか。またケガを抱えるFW玉田、MFリカルジーニョのスタメン復帰はあるのかなど、微妙な問題は山積みだ。
　とくにここ数試合「センターフォワードが結果を出していない」という理由により、FWの選手が毎試合入れ替わっている現状がある。大宮戦の後、早野監督は「ストライカーに関しては、若い選手にチャンスを与えながらでも変革していかないといけないという感じはする」と述べており、調子の上がっている宇野沢などのスタメン出場もあるかもしれない。

　いずれにしても11節でハードなスケジュールの中での連戦は一息をつくことになる。これだけの連戦となれば、選手たちは技術を超える精神力で戦っているはず。今節ほどサポーターの声の後押しが選手たちの力になる日はないだろう。それを踏まえたうえで試合を見るのも面白いのではないだろうか。



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2005.05.06 Reported by 平山佳代