5月7日（土）J2 第11節 甲府 vs 草津（14:00KICK OFF/松本）
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第1クール最後となる第11節。長野県松本市で、甲府のホームゲームして行われる甲府対草津。この対戦は「温泉マッチ」として石和温泉（山梨）と草津温泉（群馬）の宣伝パフォーマンスなどが行われる。ともに長野県に隣接しているだけに、長野県のサッカーファンを取り込むチャンスと考えているだろう。魅力的なゲーム内容とサポーターの応援で素晴らしい雰囲気を演出してほしい。

ホームの甲府は、勝ち点15で現在5位。アウェーの草津は勝ち点4で最下位。甲府は2位の福岡に勝ち点差2に迫っており、徐々に流れを掴みつつある。対して、草津はメンバー的にも厳しい上に、ケガ人が出て手塚監督は難しい状況での舵取りを強いられている。だが、同じJ2でも上位争いをしているチームと下位では、チーム作りのスタート位置が全然違う。J2昇格1シーズン目のチームとしては、身の丈経営の中で足場を作るために若い選手を伸ばしながらの戦いになることは覚悟の上だろう。サポーターも現実を直視しながら、若いチームを長い目で見てほしい。昨シーズン最下位だった札幌が、外国人に頼らないチーム作りでも徐々に結果を出しつつあることをみれば、無理なことではないことが判る。
そんなかで前節は、3位だった湘南相手に引き分け、勝ち点1を挙げた草津。徳島戦の1勝以外は全て負けゲームだった草津にとっては価値ある今季初の引き分け引き分けだ。先制したものの追いつかれたという展開ではあったが、引き分けて勝ち点1を挙げたということが進歩と言っていい。
補強のためにセレッソ大阪から獲得した齋藤は4月30日の鳥栖戦で負傷してしまったが、水戸から獲得した樹森は中盤で高須、小久保と連係して攻撃面にアクセントを与える存在になっている。選手のレベルが急に上がったり、コンビネーションが急によくなったりすることはないが、手塚監督が基本に立ち返って指導していることが選手のプレーに定着してくれば、徐々に内容は変わってくるはずだ。それまで選手は90分集中して戦いきることでサポーターにアピールしていくしかない。

草津にとって、今節のポイントは甲府・バレーをどう抑えるかになるだろう。それだけで甲府の攻撃を押さえ込むことはできないが、バレーを抑えなければ、大量失点の可能性が高くなってしまうからだ。

第1クールの序盤から中盤にかけて、守備面の弱さと攻撃力を活かしきれなかったことで、勝ち点3を重ねることができなかった甲府。終盤に来てようやくチームの形が出来上がりつつある。京都（8節）には0‐3で大敗したものの、横浜FC（9節）、福岡（10節）に連勝して5位に浮上してきた。
ここ3節は開幕からスタメンだった小倉、鈴木（隼）をベンチからも外している。経験、実績では他の選手を上回る2人、特に小倉のそれは圧倒的だ。しかし、大木監督は自らの目指すサッカーを表現してくれる長谷川、水越に先発のチャンスを与え、その結果が2連勝として表れている。
第1クールとゴールデンウィーク3連戦の締めくくりとなる草津戦では、失点をゼロに抑えることは大量得点を挙げること以上に大切なポイントになる。


以上

2005.05.06 Reported by 松尾潤