5月4日(水) 2005 J1リーグ戦 第10節
横浜FM 1 - 1 清水 (14:05/日産ス/33,710人)
得点者:'34 安貞桓(横浜FM)、'78 チョジェジン(清水)
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ドロー、勝ち点1。結果は双方にとって同じでも、あと味は異なるこの日の引き分け。冷静にして心の内を透かされるようなコメントは吐かない岡田監督にとって、やや苦いものだったろう。対する長谷川監督、純然たる喜びではないにしろ、手ごたえをつかんでの『ほくそ笑み』ぐらいの満足はあったはずだ。
前半は横浜FMのパーフェクトゲーム。疲れてコンディションは悪いと言いつつ、今シーズンでもトップの出来ではなかったか。攻撃は安貞桓のビューティフルゴール(フェイントでマーカー山西を置き去って折り返すという可能性をささやきながら、角度のないところから右足でGKの肩越しの右上スミに突き刺した)以外にも、バーに当てること2度。11本のシュートは、チャンスの質からして、もう1ゴール入っていてもおかしくない。
攻撃以上に良かったのがディフェンスで、相手のシュートは1本。それ以外にボールがペナルティエリアに入った数度のシーンも得点になりそうではなかった。なにせボールへの対応の速さがあった。最終ラインはもちろん、ボランチも両サイドもセカンドボールに相手より一歩先んじて寄せてはクリア。耐えるとかしのぐという言葉は遠い。
ところが、こういうゲームも、後半はたいてい局面が変わる。だが、このゲームは動いたのではなく、エスパルスが『動かした』との表現が正しい。その号砲は50分のチョのミドルシュート。右足で振り抜くとバーを直撃。55分、今度は岩下が同じくミドル。GKは弾くのが精一杯。ただ、これでもまだゴールを予感させるほどではなく、59分のチョに届いたスルーパスにしても松田と河合がきちんと連係、余裕を持って防いでいる。
でも、連続攻撃のダメージは蓄積していた。64分、右からの市川のクロスにマークがやや遅れ、クリアも小さい。さらに、このほころびを広げる手を長谷川監督は打って出る。66分に佐藤由紀彦を投入し、1トップで2列目を3人に。さらに73分にはFW西野を入れて2トップに。そして1ボランチとして、サイドの、とくに右サイドのオフェンスを強める。77分、このアタックにたまらずドゥトラがこの試合唯一のイエローカードを受けるファウル(イエローカードの数からもわかるように、この日の上川主審のゲームコントロールは見事。レフェリーの存在を感じさせずゲームは流麗)。右FK。佐藤のキックから最後はチョがヘッドで押し込んで同点ゴール。
その後横浜FMがオフェンスを仕掛けるも、決定的なシーンは作れずにタイムアップとなった。
後半、ディフェンスに小さな乱れが生じたとき、例えば安定感がダウンしていた栗原に替えて中西という策はなかったか。2点目を奪いにいくなら坂田の投入はもっと早くても…。こういうことに、抜かりがある岡田監督ではない。連戦、5/11に控える大事なAFCアジアチャンピオンズリーグの天王山・山東戦、現在のチーム状態。これらを計算した上での采配のはずだ。ということは、坂田もできれば使いたくなかったし、栗原には(チームとして)苦しい坂を乗り越えて、このアドバンテージを守ってほしかったということなのだろう。この岡田プランを、二の矢・三の矢を次いで切り崩した長谷川采配。ピッチの裏にある、ベンチ間の戦いも意識させた90分間だった。
以上
2005.05.04 Reported by 池田博人(インサイド)
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