5月4日(水) 2005 J1リーグ戦 第10節
大宮 1 - 0 柏 (16:03/埼玉/14,846人)
得点者:'40 トゥット(大宮)
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この試合に臨む前の成績が、そのまま結果に出た。そんな印象を受ける試合だった。
両チームの前節までの成績は、大宮が4勝1分け4敗の7位であるのに対して、柏は2勝3分け4敗の16位。勝ち点差にすると4、黒星の数はともに4で両チームの間にそれほど大きな差があるようには見えない。しかし、白星ふたつの差は大きいように感じられた。
前半立ち上がりをいい形で入ったのは柏だった。立て続けにCKふたつを獲得し、前線、中盤では激しいプレスを見せた。開始4分には混戦からゴールネットを揺らすも、これはオフサイドの判定。しかし、「戦う姿勢」を感じさせる立ち上がりだった。柏はその後も攻め続けるが、15分に崔成國のFKから狙った中澤のヘッドは枠を捉えず。また、大宮GK荒谷の好セーブにも阻まれた。
すると、「失点するかと見ていた」(三浦監督)時間帯を乗り切った大宮は40分、エンドラインを割る寸前のところから片岡が上げたボールをトゥットが頭で合わせ、先制する。後半も崔成國の突破や、セットプレー。ミドルシュートと何度も柏にチャンスを作られた大宮だったが、最後まで凌ぎ切り、勝ち点3をものにした。
「内容的には満足できるものではなかった」(三浦監督/大宮)
「今日は勝ち点3取ったということで、よしとして欲しいです」(藤本/大宮)
大宮は決していい内容ではなかった。それでも、1対0で勝ち切った。チーム得点王のクリスティアンを欠いたものの、「(ナビスコカップを含む)9試合でPKの1得点しかない」という理由で2試合メンバーから外されていたトゥットが、復帰戦でゴールという結果を残した。ロスタイムに森田がダメ押しの絶好機を逃す場面もあった。しかし、第8節の大分戦後に三浦監督が「試合に勝つか負けるかは、ストライカーが点を取るかどうかにかかっている」と話したように、エースのいないゲームでも、再びチャンスを与えられたストライカーがゴールを挙げて勝利した。
また、大宮は「勝敗に関わりなくメンバーをこの連休は入れ替えたいと思っていた」、「(ボランチとCBをこなす片岡のSB起用について)一応構想のなかでは清水戦の前あたりに考えてはいた」(三浦監督)と、長いシーズンのなかでの1試合1試合に余裕を見せる。さらに、「トゥットだけ流れのなかで点を取っていなかったので、(今日の得点で)非常にいい競争が生まれると思う」というプラスの流れのなかで、次戦以降の戦い方も楽しみだ。
一方の柏はなかなか光が見えてこない。チャンスは作ったし、戦う姿勢も見せた。それでも、勝利に手が届かない。得点は2試合連続ゼロで、総得点もワーストタイの9ゴールと、決定力不足は深刻。「ストライカーに関しては、若い選手にチャンスを与えながらでも変革していかないといけない」(早野監督)。勝利のためには大きな変革が必要なのかもしれない。
以上
2005.05.04 Reported by 小川典子
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