9月11日（土）J1-2nd 第4節 Ｆ東京 vs 神戸（19:00KICK OFF/味スタ）
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　11日のJ1　2ndステージ第4節ではF東京と神戸が激突するが、この試合は両チームにとって重要な一戦となる。2ndステージ3試合を終え、ともに1勝2敗とスタートでつまずいたため、上位陣を脅かすにはこれ以上黒星を重ねるわけにはいかない。

　これまでのリーグ対戦成績を見ると、4勝1分4敗とまったくの互角。しかし神戸は味の素スタジアムが苦手で、これまで5試合を戦い、2分3敗（東京Ｖ戦を含む）と白星を挙げたことがない。また、神戸はここ最近、F東京に勝てておらず、今季はリーグ戦で一度、ナビスコカップで2度対戦しているが、すべて1-2のスコアで敗れている。リーグ戦に焦点を当てると、2002年の1stステージの勝利を最後に現在まで4連敗を喫している。相性からいえば、神戸にとって味スタでのF東京戦は最悪の対戦カードとなっている。

　さらに神戸は今、まだチーム固めの段階。1stステージではレアンドロン、播戸のコンビがうまく噛み合い、攻撃を引っ張っていたが、そのレアンドロンの離脱により新たな形を作る必要に迫られている。エムボマ、平瀬、ホルヴィなど大型補強を敢行したが、コンビネーションを詰める時間が少なく、課題を残している。第1節の浦和戦では、ぶっつけ本番の形で3-4-3を試してうまくいかず、続く柏戦では4-4-2に戻したことで3-0と結果が出たが、第3節の新潟戦では「ゲームプラン通りだった」（反町監督）と完全に相手の策略にはまってしまい、開始15分までに3失点と急造チームのもろさを露呈した。不安定な戦いが続いているのだ。

　ならば、F東京有利か、と言われれば、事態はそう単純ではない。F東京もチーム編成に頭を痛めている。開幕当初は石川、今野、茂庭、徳永の主力4人がアテネオリンピック代表の試合などで抜けてしまい、ただでさえ駒不足に悩んでいるところに戸田、浅利が故障で離脱と追い討ちをかける。ようやくオリンピック組が戻ってきたかと思えば、その石川、徳永もケガ、さらにルーカスまでもが筋肉を痛めてしまった。主力不在のチームを支えていた特別指定選手の栗澤も、流通経済大での活動を優先するため戦列を離れる（徳永も早大での活動を優先）など、まさに台所事情は火の車。馬場の左サイド、前田の右サイドバック、梶山のボランチ起用など、現有戦力に本職以外の役割を与えてなんとかやりくりしているのが現状だ。

　ともにチーム状態は苦しい。だが、この両チームは、ともに大きな可能性も秘めている。

　確かに神戸はまだまだコンビネーション、約束事が確立されていないが、エムボマのキープ力と決定力、播戸の突破力、平瀬のスピードなど個々の能力は申し分ない。高さもエムボマ、北本、河本など、武器となる選手がいる。まだチームとして攻撃の形を作るところまではいっていないが、ワンプレーで決める力を持っており、2ndステージ3試合で8得点と爆発力を見せている。代わりに7失点と守備に問題を抱えていることは事実だが、基本的な連携さえ形成されれば、攻守に力のある選手がいるのでチーム力はメキメキ上がっていくはずだ。

　またF東京もベストメンバーを組めず、計算どおり事は進んでいないが、原監督の「サイドアタック」はチームに浸透しており、代わりに出ている選手もしっかりとそれを実践することができ始めている。開幕、第2節と落としたが、第3節の東京ダービーでは執拗に東京Vのサイドを切り崩し、最後はゴールをこじ開けた。ナビスコカップ準々決勝では、1stステージから6連勝中の好調G大阪相手に先制を許しながらも、これまたサイドアタックで押し切り4点を奪って逆転した。誰がピッチに立っても、F東京のスタイルが出せるようになってきている。馬場、梶山などは、そうそうポジションは明け渡さないという気概に満ちており、主力が復帰した場合どうなるのか、楽しみなチームである。

　神戸はこのあと、G大阪、横浜FM、磐田と強豪との戦いを控えており、F東京も柏戦を経て、浦和、鹿島、名古屋、磐田、そして横浜FMと厳しい日程となっている。難敵との連戦を前に弾みを付け、自信を持って戦えるだけのものを掴むという意味でも、お互いこの一戦は非常に大切なもの。この試合の結果が、両チームの今後の明暗を分ける可能性がある。
　
以上

2004.9.10 Reported by スポマガ WORLD SOCCER