9月11日（土）J1-2nd 第4節 市原 vs 東京Ｖ（19:00KICK OFF/市原）
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　2ndステージ第3節では鹿島を相手にマルキーニョスの先制点を守りきり、ヤマザキナビスコカップ予選リーグ第4節大分戦（6月5日）以来の無失点勝利を獲得した市原。リーグ戦の最後の無失点勝利となると、1stステージ第2節横浜FM戦（3月20日）までさかのぼるだけに、選手たちからは充実感に満ちた言葉が多く聞かれた。
「うちは立ち上がりからパスをつなぎすぎるところがあった。今日は無理にパスをつながないで、ロングボールの攻撃も入れてやろうと話し合って臨んだ。今までのうちにはなかったずる賢さみたいなものが出てきたかなと思う」（坂本）

　ビルドアップのパスをカットされて逆襲を食らう展開にならないように、コントロールして戦えたことは大きな収穫だろう。しかし、その一方で鹿島に24本ものシュートを打たれたのも事実だ。確かにチーム一丸となった粘り強い守備で失点を許さなかったことは評価できるが、鹿島のシュートミスに救われたシーンもあった。今節は復調の兆しを見せている東京Vが相手となるだけに、相手にシュートを打たせない中盤での守備が重要となる。2ndステージは2勝1分といいスタートがきれたが、「次の試合につなげて、続けていくことが大事」と選手たちが口を揃えたように、真価が問われる一戦だ。
　
　一方、2ndステージの東京Vは開幕戦こそ勝利を収めたものの、第2節の浦和戦は2-7の大敗、第3節の東京ダービーは無得点で敗戦と波に乗れなかった。そのためヤマザキナビスコカップ準々決勝の清水戦では4−4−1−1システムへ変更。平本の1トップに廣山が1.5列目に位置する前線となった。攻撃では廣山がサイドに流れることでできたスペースに山田が効果的に攻め上がる場面が見られ、守備では速くて激しいプレスを仕掛けるなど、新システムはうまく機能したといえるだろう。試合後の選手たちは「この勝利は大きい」と異口同音に話しており、嫌なムードを完全に払拭している。
8日の練習でのミニゲームも4−4−1−1システムで行なっており、今節もこのシステムで臨みそうだ。また、パスを受けた選手がダイレクトパスで味方にボールを渡し、そのボールをシュートするというシュート練習も長くやっていた。ミニゲームでもダイレクトパスに対する意識が高く、素早いパス回しで市原の守備を崩しにかかるだろう。

　市原も東京Vもしっかりパスをつなぐ攻撃サッカーで戦っている。それだけに中盤の攻防を制することができるかどうかが、勝敗の分かれ目となる。市原としては鹿島戦同様にロングボールもうまく織り交ぜて、パスワークが東京Vのプレスに寸断されないように攻撃することが必要だ。また、市原には阿部、東京Vには三浦、米山といった優れたプレースキッカーがいる。三浦はW杯アジア1次予選インド戦から帰国したばかりだが、試合には出場しなかったため疲労は少なく、出場の可能性は高い。お互いにゴール前での不用意なファウルには要注意だ。
　
　選手個人に目を向けると、この一戦には少なからぬ因縁がある。市原のマルキーニョスは東京Vからの期限付き移籍だが、1stステージの対戦時は怪我で欠場していた。2ndステージは3試合で5得点と絶好調であるだけに東京Vのマークは厳しくなるだろうが、果たして4試合連続ゴールとなるか。また、東京Vの廣山は市原から海外に渡っており、今回が古巣との初対戦となる。注目の的となる廣山は「マスコミの報道から市原のファンには誤解されているところもあると思うけれど、市原は今でも好きなチーム。でも、今の僕は東京Vの選手なので、試合に出て勝つことを考えています」と話している。
　
　さらに、1stステージの対戦でＪリーグ史上最年少の初ゴールを決めた森本は、U-19日本代表合宿からチームに一時戻っており、途中出場もありえる。市原は森本に決勝点を奪われて敗れただけに、無失点勝利で雪辱を果たしたいところだ。三浦同様、帰国したばかりだがスタメン出場が濃厚な茶野の奮起に期待したい。
　
以上

2004.09.10 Reported by 赤沼圭子