9月11日（土）J1-2nd 第4節 Ｇ大阪 vs 柏（19:00KICK OFF/万博）
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　早野宏史監督が柏レイソル監督に就任した時から、ある意味注目を集めていた今回の『ガンバ大阪VS柏レイソル』戦。元柏監督で現ガンバ大阪監督の西野朗氏と、元G大阪監督で現柏監督の早野氏。監督としてのキャリアも長く、共に相手チーム、選手の個性を熟知している両氏が、その上でどのような采配を振るうのか。勝負をわけるのも、そのあたりの戦略によるところが大きいとなれば、より両者の手腕が際立つ一戦となることだろう。

　だが、だからといって、大幅に相手をあざむくような戦術が敷かれるのかと言えば、そうでもないというのが現実だろう。もちろん、選手の個性を踏まえた上で、注意すべきポイントとしてより警戒が強まることは事実だが、「まずは自分たちの戦いを」と両氏が声をそろえるように、それ以前に、G大阪であれば開幕3連勝という結果の中で感じている手ごたえをより確かにすること。柏であれば、早野監督就任以降、結果にはなかなか結びつかないものの、少しずつ徹底しつつある『チームの形』を強めることが、大前提となる。
　
　特に、G大阪は3連勝と好発進しながらも、代表不在で戦ったナビスコカップ準々決勝でシステムを変えて大敗。もちろん、システム変更だけが敗因とは言えないが、選手のダメージは大きく、だからこそ、この敗戦をいかに断ち切る戦いができるかが、課題となる。
　
　それは西野監督の「代表組起用宣言」からも感じられる。8日に行なわれた大塚FCとの練習試合に今一つ手ごたえを得られなかったせいか「本人たちのコンディション次第」としながらも、9日に帰国したばかりのDF宮本、MF遠藤両選手の起用をほのめかしたのは、00年以来実現していない開幕4連勝を是が非でも実現しなければ、というメッセージとも考えられる。
　
　特に、開幕から3試合を見る限り、中盤の要MF遠藤の存在は、攻守において重要なポイントとなっているだけに、また代表でもインド戦での出場がなかったことから、起用は確実だと考えてもいい。もちろん、本人も、インド戦欠場の鬱憤を晴らすべく活躍を見せてくれるはずだ。
　
　一方、柏の起用で気になるのは名古屋へのレンタル移籍から復帰したMF大野敏隆の存在。約1年ぶりとなった彼の復帰は早野監督の要望にもよるもの。「パサーがいないので、呼び戻してもらった」という言葉は彼に対する期待の大きさを伺えるものでもある。もちろん、合流からわずかに1週間しか経っていないこともあり「チーム戦術にフィットするにはもう少し時間がかかるかも」という思いがあるのもあるようだが、現状を撃ち破る起爆剤として新メンバーを加えるのは戦略の1つと言える。とはいえ、第2節の広島戦でトップ下に入り、豊富な運動量を駆使して攻撃にリズムをもたらしたMF加藤の好調ぶりも伺えるだけに、どういった攻撃陣の組み合わせを敷いてくるのかが見どころとなりそうだ。
　
　ナビスコカップ決勝トーナメント進出がかなわなかった柏は、この2週間の中断期間に「トレーニングでやっていることを、ゲームで体現できるよう繰り返し練習を行なってきた（早野監督）」と聞く。これは、これまでの3戦において「練習でできていることが、驚くくらい試合でできなくなる」という現実を受けてのこと。つまりは、徹底しきれていないチーム戦術を、より浸透させるべくトレーニングを行なってきたということになる。それがどのように結果に結びつくのか。すべての答えは、9月11日、会場となる万博スタジアムにある。

以上

2004.09.10 Reported by 高村美砂