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ルヴァン 準々決勝 第1戦
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【ヤマザキナビスコカップ:準々決勝 東京V vs 清水 レポート】豪雨の中、終始試合を支配した東京Vが延長戦を制す(04.09.05)

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9月4日(土) 2004 ヤマザキナビスコカップ 準々決勝
東京V 2 - 1 清水 (19:02/味スタ/6,644人)
得点者:'26 チョジェジン(清水)、'35 山田卓也(東京V)、'104 桜井直人(東京V)
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 試合開始前からスタジアムは激しい雨に包まれていた。会場入りした清水・石崎監督は先週のG大阪戦での天候を連想し「また台風かー?」と冗談めかしたが、実際そう言いたくなるくらいの雨脚だった。そして試合展開も荒れ模様の天気と同じく波乱含みとなる。

 立ち上がりこそ清水のペースだったこの試合だが、徐々に東京Vがペースを掴みだす。4-4-1-1の形にシステムを変えて臨んだ東京Vは、アルディレス監督の目論見通り、両SB(米山、相馬)の積極的な攻撃参加に加え、ウーゴ、山田の両サイドが高い位置をキープすることによりサイドを制圧。東京Vがボールを支配する時間が多くなっていくのに対し、清水はターゲットとなるチョ・ジェジンにボールを当ててそこから展開する攻撃を繰り返していた。
 
 押され気味の清水だが、前半26分、先制点はそのチョ・ジェジンから生まれる。DF斉藤から右サイドに流れてボールを受けたチョ・ジェジンが、ゴールまで約25メートルの地点から思い切って右足でシュート。このボールがポストをかすめながらゴールマウスに吸い込まれ、チョ・ジェジンは来日初得点。その位置から打っていくとは思っていなかったのだろう、ベンチの石崎監督も一瞬目を丸くしたが、すぐに笑みを浮かべ、「課題は決定力」と話していた指揮官はしてやったりの表情。このゴールで一気に流れが清水になるかと思われたが、この後も太田、市川のサイドの選手やボランチの伊東、杉山が守備に追われ、クリアしたセカンドボールもなかなか拾えない状態が続く。

 するとその9分後、前線近くまで駆け上がった右SB米山(東京V)がDF二人の間を通すパスを送り、中に切れ込んでいたMF山田がDF2人につかれながら右足でゴールに流し込み東京Vが同点に。その後も廣山の飛び出しなど東京Vがチャンスを作りながらも、1-1のまま前半終了となった。

 すぐにでも後半に入りたい東京Vだったが、ハーフタイムに入る頃にはますます雨量が多くなり、雷も頻発。そこで落雷を回避する為20分遅れての後半開始が決定。メンタル面の影響が懸念されるも、「集中力を切らさないようにと話していた。事実いい入り方ができた」(FW桜井)と問題なく後半のキックオフを迎える。
 
 この頃になると、ピッチ上では選手がスライディングをするとかなり大きな水しぶきが上がり、ボールも思うように転がらない状態。芝も所々めくれ上がり、コンディションは最悪だったが、それでも東京Vの攻撃は休まることがなく、後半のシュート数は東京Vが8、清水が2。「いつ点が入ってもおかしくないと思ってた」とDF米山が話した通り、東京Vの得点は時間の問題かと思われた。
 
 しかし、清水DF陣の集中も切れることなく凌ぎきり、結局延長戦へ。雷雨の中の戦いでお互い疲労の色が隠せず、足がつる選手も出る中、交代枠を使い切った両チームの選手達は1点を求めて走り続けた。そして後半と同じようにシュート数で上回る東京Vが試合の決着をつけたのが延長前半終了間際。ゴール正面からの米山のFKのボールに、「こぼれ球を狙っていた」というFW桜井がうまく体を当てコースを変えてゴールを決めた。選手はもちろんベンチからも監督、コーチ、スタッフが飛び出し歓喜の輪で桜井をもみくちゃにしながら、ようやく104分の死闘は幕を閉じた。

 「東京Vはいつもよりプレッシャーが早かった。パスがテンポ良く回るのは前からだけど、あそこまでの守備は・・・」と清水・MF市川。その東京Vの選手の言葉は共通している。「今日は気持ちが必要だった」(MF山田)、「みんなの固い気持ちがあった」(DF米山)、FW桜井も「勝ちたい気持ちでチームが一丸となっていた。決勝ゴールもみんなの気持ちで取った点です」と笑顔で話す。

 これで東京Vは8年ぶりのナビスコカップベスト4進出が決定。現実味を帯びてきた10年ぶりのタイトル奪取に向け、準決勝ではF東京に挑む。

以上

2004.09.05 Reported by 高木聖佳


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