9月4日（土）ヤマザキナビスコカップ 準々決勝 Ｆ東京 vs Ｇ大阪（19:00KICK OFF/国立）

※F東京vsG大阪の試合は、雷雨の為、試合開始が遅れております。

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　ヤマザキナビスコカップ準々決勝。今年からホーム＆アウェイ方式ではなくなったこともあり、まさしくここからは一発勝負。負けたら終わりのトーナメントの戦いに入る。昨年はベスト8、決勝トーナメント1回戦で敗退となったF東京とG大阪。互いに「今年こそ！」という思い、そして同時にセカンドステージの勢いに乗るための鍵を握る試合だ。

　ホームのF東京は、1999年以来のベスト4入りを目指してG大阪戦に臨む。加地選手、土肥選手と2人のA代表が抜け、怪我人を多く抱える中でも、その時々に出場する選手のモチベーションの高さと、それぞれ手にしたチャンスを結果につなげるところが、今のF東京を支えている。「こういう時こそ“勝利”という結果が一番大事なんだ」とベテランの三浦文丈選手は話す。

　原監督はG大阪に対して、「大黒選手やフェルナンジーニョ選手などに気をつけるのはもちろん、そこへのパスの出し手のケア」を試合のポイントにあげ警戒を強めた。

　F東京のメンバーの中でも注目したいのは2年半ぶりの出場が予想される小林成光選手。彼が最後に出場した2年半前の試合も「G大阪戦」だった。「期するものはやっぱりありますよ。あの時も相手はガンバでしたね。今回は自分の中で最後のチャンスだと思ってやります」と前日練習を終え決意を話した。その2年半前の試合のあと、交通事故により右大腿骨を骨折した小林選手。「あそこから僕のサッカー人生が壊れたから…。明日の試合は、怪我をしてお世話になった人たちや親にも連絡を入れました。出ますって。恩返しの意味でもしっかりやりたいですね」と笑顔を見せた。彼をセカンドステージのキープレーヤーに上げていた原監督も「明日は成光が気持ちの入ったプレーを見せてくれるんじゃないかな」と期待を寄せている。

　一方のG大阪は、セカンドステージ3連勝と好調だ。しかし、「これまでの苦い経験から、こういう好調な時ほど気持ちを引き締めていかないといけない。口にはしないけどみんな内なる闘志を持っています。今やらなかったらいつやるんだ、今しかないくらいの思いでいますよ」と吉原選手が話すように、それぞれ好調だからこそ気を引き締めるG大阪の選手たち。「ひとつ負けることによってズルズル下がっていってしまう怖さ」を何度も経験しているからこその言葉だ。

　F東京のサイド攻撃に警戒を強め「勢いに乗せると怖いチーム。絶対にその勢いには乗らせないようにしないと・・・」と口々に話すG大阪の選手たち、同時に「勢いがあるという意味ではうちも負けてませんからね」と自信も見せた。

　遠藤選手、宮本選手と2人のA代表が不在の中、「やっぱり何より遠藤選手の不在は大きい」と顔をしかめた西野監督。「遠藤のポジションにそのまま誰かを入れるだけでは同じようにはいかない。そういう中で、システムだったりオプションだったりを考えたりしないといけないね」と、最近の3バックから4バックへのシステムの変更をする可能性も予想される。

　G大阪で注目したいのは、セカンドステージを目前にプロC契約を結んだ、G大阪Jrユース出身で現在高校3年生の家長昭博選手だ。「トップの試合にはなかなか出られていないので、練習中に一生懸命アピールするしかない。F東京のサイド攻撃をおさえつつガンバのいいところが出せるようにしたいです。それと点に絡めるように頑張りたいと思います」と少し照れながら試合への強い思いを語った。「潜在能力は高いものを持っている選手だし、それをコンスタントに出せるようになればいいと思っている。ボールを持てるし、攻守ともにいいものを持っているので…それを引き出すのが僕の仕事だからね」と西野監督も笑顔で期待する。

　そしてG大阪の選手たちにとって楽しみなことがもう一つ。「国立競技場での試合」だ。

　チームとしては2000年のファーストステージ第7節F東京戦以来の国立。国立ではこれまでリーグ戦3戦全勝と相性もいい。選手の中にはまだ国立でのプレーを経験したことのない選手も何人かいる。松代選手は「すごく楽しみです。サッカー選手にとってやっぱり国立は特別だから。いい雰囲気なんでしょうね」と聖地国立での戦いに胸を膨らませた。

　勝利をつかみ、ナビスコカップベスト4入りと、リーグセカンドステージの好調の波に乗るのはどちらのチームか！夜7時、聖地国立競技場の夜が熱く燃える。

以上

2004.09.03 Reported by 日々野真理