9月4日(土)AFC U-17サッカー選手権大会2004 グループリーグ
日本 vs 朝鮮民主主義人民共和国(19:00KICK OFF/藤枝)
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来年の8月にペルーで行われるU-17世界選手権。この出場権を争うアジアの最終大会がAFC U-17サッカー選手権だ。大会名はAFC(アジアサッカー連盟)の大会も「U-17」になっているが、これは来年の世界選手権での表記に合わせたためで、出場するのは現U-16日本代表(来年、U-17日本代表となる)である。
「AFC U-17サッカー選手権」は、予選を勝ち上がってきた16チームが4チームずつ4グループに分かれてグループリーグを戦い、各グループの上位2チームが決勝トーナメントに進む。そして、決勝トーナメントの3位までに入ったチームが世界選手権の切符を手にすることができる。日本は過去10回この大会に挑戦して、アジアの壁を越えたのは2回だけ(1993年の世界選手権出場は、開催国だったため)。この年代は高校受験を挟み、また、16歳の公式戦がないために所属チームで試合に出られないなど、日本の育成システムのなかでいちばん強化が難しい年代だからだ。しかし、この年代で世界を経験するかしないかは、後々大きな差となってくる。日本はヨーロッパや南米のチームのように、身近に世界基準がないだけに世界に行けないと失う経験が大きい。国体のU-16化や16歳のリーグ戦などのシステムはまだ整っていないが、システムが整うことを待ってはいられない。
日本のグループAには中国、北朝鮮、タイが入っており、他のグループのように力が大きく落ちるチームはないと予想されている。この最も厳しいグループで日本は、北朝鮮(4日)、タイ(6日)、中国(8日)の順に戦う。中国がもっとも厳しい相手になることは間違いないが、中国とタイは事前のスカウティングで一定の情報は得ている。問題は初戦の北朝鮮だ。このチームについては全く情報がない。当初は、在日選手で構成するチームなのか、本国から来るチームなのかさえ分からなかったくらいだった。そして、最終的にはビザの申請情報などから北朝鮮本国から代表チームが来ることが判明した。それでも、情報がないことには変わりがない。サッカーのレベルが高い国だけに、情報が得られる2戦目以降に対戦したかった相手だ。情報がないチームが初戦の相手という不安はあるが、この試合に勝てばグループ2位以上という計算が立つ。それだけに、日本にとって4日の北朝鮮戦は非常に重要な試合となる。
2003年3月にU-15日本代表(現・U-16日本代表)は立ち上げられた。市立船橋高校サッカー部で8回の全国優勝を果たした布啓一郎が退職して、日本サッカー協会のナショナルコーチングスタッフとしてこのチームの監督に就任した。布監督はここまでの17ヶ月間に、15回の合宿・大会参加を通じて70名余りの選手を招集して強化・選手の見極めを行ってきた。今年になってからは、モンテギュー国際大会(4月、フランス)で、イタリア、ドイツ、カメルーンなど同年代のナショナルチームを倒して優勝しており、選手も一定の自信を得ている。7月のミルクカップ(北アイルランド)では1歳年上のU-17のクラブチーム(イングランド、北アイルランドなど)を相手に健闘して5位入賞(負けはPK戦による1試合のみ)。「(アジア選手権では)負ける確率を少なくしていく」という布監督のサッカーが徐々に結果に繋がってきたといっていいだろう。
アジアのサッカーレベルが拮抗してきただけに、今大会ではミスをしたチームが敗者になる確率が高い。布監督はこの年代のチームを「大人のサッカーの入り口」と表現し、その要素のひとつである「隙を作らない、隙を突く」という点が勝敗を分けるようになるという。もちろんテクニック、フィジカル、タクティクスでも求めるものは様々にあるが、「隙を作らない、隙を突く」という点で、日本選手の甘さを布監督は強く感じており、海外遠征ではこの点を体験させた。そして、完璧ではないが、その成果がモンテギュー国際大会優勝などの結果に繋がった。日本チームは粘り強く最後まで諦めないで戦えるチームに成長している。それでも、今大会は「ガチガチ」の試合になるという。「ガチガチ」には様々な意味が込められており、お互いに負けないサッカーをするという点やお互いの緊張から来るミスやリズム変化などもそうだ。このアジアの壁を日本チームがどう突破するのか。見どころの大きな大会だ。
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日本代表注目選手PART(1)
吉本一謙(よしもと・かずのり)
1988年4月24日生まれ。183センチ、79キロ。FC東京U-18
このチームの立ち上げ以降、常にメンバーに選ばれ続けてきた選手のひとり。布監督の信頼も厚く、日本代表の守りの要。キャプテンの青山隼(名古屋グランパスエイト)と共にチームを引っ張ってきたチームリーダー。モンテギュー国際、ミルクカップなどでも強靭なフィジカルとヘディングの強さでヨーロッパの大型FWを蹴散らしてきた。大島嵩弘(柏レイソルユース)とのコンビでディフェンスライン中央の制空権を確保する。そして、スクランブルでは意外な一面を発揮する。
以上
2004.09.03 Reported by 松尾 潤
J’s GOALニュース
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