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【J2:第32節 仙台 vs 京都 プレビュー】2位を死守したい京都を迎え撃つのは、昇格に向け絶対に負けられない仙台(04.09.03)

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9月4日(土)J2 第32節 仙台 vs 京都(19:00KICK OFF/仙台)
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-スターティングメンバーは、試合開始約2時間前に各試合のスコアボード「試合詳細」に掲載されます-
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 思えば今回対戦する仙台と京都が揃ってJ1に昇格した2001年シーズンも、第4クール突入後の終盤でも6チームが昇格の可能性を残して戦うという、史上稀に見る大混戦だった。
 
 しかし今季は、首位を独走する川崎Fはこの際置いておくとして、現在2位から7位まで勝ち点差は5。どのチームにも首位の可能性すら残されていた2001年シーズンは、6チームで2つの昇格枠を争っていた。今年の場合、3位に与えられるJ1チームとの入れ替え戦出場権を昇格枠「0.5」と考えれば、今季は2位から7位までの6チームで、1.5個の昇格枠を奪い合っていることになる。
 
 この6チームはその意味で、2001年シーズンを超える激闘を戦っているわけだが、2001年シーズンを勝ち抜いた仙台は今節、その年に共に昇格を果たした仲である京都によって、昇格戦線離脱を強いられるかもしれない立場にいる。明日、仮に京都がアウェイで勝利を果たしたら、京都と仙台の勝ち点差は8に。現在京都は2位だから、これはつまり自動昇格圏内の2位と、仙台は8の差をつけられるということである。過去に仙台が昇格を果たした時、昇格圏内との最大勝ち点差は7。つまり仙台はこの試合に敗戦すれば、過去の昇格争いで経験したことのない「危険水域」にその身を浸すことになるのである。

 そうならないために負けられない、いや残り試合数を考えればこの「直接対決」を制し、ライバルから勝ち点3をもぎ取ることで、第4クールに向けはずみをつけたい仙台だが、肝心の戦力面において大きな足かせを背負っている。警告累積3枚の状況を続けてきた大柴が前節ついに4枚目の警告を受けて出場停止。さらに最近復調が著しく、センターFWを張れる貴重な人材として計算され始めていた中原も前節の退場処分によって欠くことで、仙台は前節の3トップのうち2人が不在ということになってしまった。スタメンで唯一「残された」形となった佐藤の「ここまで仙台は3トップの編成でいろんなパターンを試してきた。だから今回誰が出ても問題はない」という発言に期待を寄せるしかない。
 
 一方、京都はどうだろう。前節終了後、松井がフランスのル・マンに移籍するためにチームを去った。だが彼が抜けた左サイドには美尾がいる。元々柱谷監督は、左サイドには左利きを適正に配置するイメージがあり、昇格直前までの進撃を見せた2001年シーズンの山形では、左サイドバックに鈴木健太郎(現新潟)、その前方、左サイドハーフには佐藤悠介(現C大阪)と、左利きの選手を並べていた。ひょっとすると今年の京都でも、典型的レフティーである美尾のほうが、柱谷監督の意図に適しているのではないだろうか。となれば松井の不在は、さほど戦力的ダメージとは思えない。
 
 戦力比較で言えば、仙台は不利を背負っている。特にこれまで3トップの一角を担い、主に相手左サイドバックのケアにも献身的な働きを見せていた大柴の欠場は、京都の左サイドバックが浦和からシーズン途中に加入した攻撃的な三上であることを考えると、相性的にも影響が大きいかもしれない。代わりに入る前線の選手(おそらく財前が3トップにシフトすると思われる)には、大柴のような献身的な動き、あるいはサイドバックを上がらせないため、相手の裏を狙い続けるといった勇気の最低どちらかが求められる(その意味で財前は、後者に関しては問題ない)。

 この試合は仙台のホーム、仙台スタジアムでのゲームだ。京都サポーターは今季第2節(仙台0-5京都)のような試合を望むだろうが、仙台としては少なくとも同じ失態を繰り返すわけにはいかない。こうした背景、さらには前述の昇格争いにおける状況もあり、仙台としてはまさに今季ここまでやってきた全てをぶつける、一大決戦となるだろう。
 
 そのことはサポーターも痛いほど理解しているはず。昨年のJ1残留争い終盤に仙台スタジアムで行なわれたこの両チームの直接対決(仙台3-1京都)の時は、まさに背水の陣という状況であった仙台サポーターが作り出す異様な雰囲気が、スタジアムをどこか別世界の雰囲気へと変えていた。この試合も、それを彷彿とさせるような張り詰めた空気となるだろう。
 
 まだカレンダーは9月に入ったばかり。一試合一試合の結果に心を躍らせたり痛めたりといったような本当の意味での昇格争いの始まりは、秋の訪れとともにやってくると思っていたが、どうやら当初の予想よりも一足速く、ここ仙台では今週末に「開戦」を迎える。

以上

2004.09.03 Reported by 佐々木聡

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