8月29日(日) 2004 J1リーグ戦 2ndステージ 第3節
東京V 0 - 1 F東京 (19:03/国立/13,185人)
得点者:'88 梶山陽平(F東京)
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今年2度目の東京ダービー。場所は国立競技場。8月最後の日曜日。天候は雨、弱風。気温20.9度。肌寒い上にぱらつく雨に夏の終わりの寂しさを覚える夜7時、キックオフの笛が鳴った。
試合開始から約16分間。アウェイF東京の考えられないような猛攻が続く。といっても試合そのものではなくスタンドの話。
「ヴェルディだけには負けられない、おれたちの力みせてやれ」途切れることなくひたすら続く東京ダービー専用の応援歌の歌詞だ。F東京は2ndステージ開幕2連敗。しかし今節は待望の五輪組も打撲の石川を除き、茂庭、今野が先発復帰。奇しくも相手は東京V。ここで勝てば、ここで勝たねば、とにかく勝ち点3を、と臨んだこの試合。サポーターも同じ思いで約16分間叫び続けた。
そして、その思いは通じた。「サポーターの声援が途切れないんで、すごいなと思って」とこの日のヒーロー梶山陽平。初ダービーの印象を聞かれてのコメントだ。後半36分に三浦に代わりボランチで途中出場。今野とのバランスをとりつつも「チャンスがあれば飛び出していっていいと言われた」と攻撃の意識を持ってピッチに入った。
そして、その7分後。ミドルシュートがユースから加入した新人の右足から生まれる。すでに「引き分けてもしようがないかな」(F東京・原監督)と考えた後半43分。左からのスローインを中央でルーカスが受け、梶山へ。「フリーだったので思いきって打ってみました」と、ワントラップして振り抜いた。抑えのきいた中距離からの豪快シュートはゴール左隅へ。「打ってみれば入るだろ、と監督に言われました」と嬉しそうに話す19歳。来月下旬から始まるアジアユースでも確実に外せない中盤のひとリ。「アジアユースに行ったからには優勝と思っている」と、控えめな口調ながら優勝宣言もとびだした。「スケールの大きい選手になってほしい」と原監督。五輪組の復帰に加え、次回五輪組の台頭。F東京はこれで波に乗れそうだ。
一方、前節・浦和戦の7失点からどうしても立ち直りたかった東京V。後半、味方のセットプレーのクリアボールから再三カウンターを仕掛けられ、ピンチを招く。絶体絶命のピンチは後半34分。東京Vはコーナーキックのこぼれ球を拾われ、ケリーと近藤祐に中央でパス交換を許す。最後、近藤祐に反応してGK高木が飛び出したタイミングでシュートを打たれてしまう。が、ゴールラインぎりぎりで小林大がスライディングし、チームを救った。しかし、本人も「あそこで目立ってもね…」とその直後に失点を喫し、敗戦が決まっているだけに言葉少な。
試合後アルディレス監督は「自信が低下している選手がいる。基本のパス回しがうまくいっていないので、システム変更も考えなくてはならないかもしれない」と発言。選手の入れ替えなのか、システムの変更なのか。「じっくり考えて、変えてみようと思います」1stステージと2ndステージの間の中断期間で全くと言っていいほど行わなかったチーム改造に着手するタイミングが来たようだ。1stステージ前半も負けが込む中で立て直してきたアルディレス監督。2ndステージは、いかなる方法で立て直すのか、手腕に注目したい。
以上
2004.8.30 Reported by 了戒美子
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