%I3/4?(日) 2004 J1リーグ戦 2ndステージ 第3節
清水 0 - 1 G大阪 (19:00/日本平/9,298人)
得点者:'84 大黒将志(G大阪)
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大雨の影響なのか、これまでなら後半に運動量が落ちて崩れることが多かった清水が最後までプレーのクオリティを落とすことなく好調G大阪を苦しめた。清水は予想通り、前半から積極的なプレスをかけてG大阪のボールを高い位置から奪う。そのボールを相手陣内で奪われても、コンパクトなバランスのままプレスをかけるので、再び高い位置でボールを奪うことができ、ペナルティエリア付近までは何度もボールを運ぶことができた。相手ボールになった瞬間、次のパスを狙う杉山(ボランチ)のポジショニングと積極性が大きく貢献していた。ただ、前線でくさびとなる北嶋のプレーがやや正確性を欠いたことと前を向いて勝負する姿勢の欠如が、決定的なラストパスに繋がらなかったのではないだろうか。北嶋には柏時代の全盛期のイメージがあるのか、ボールを受けたときにマークが甘くても勝負せずにボールをさばいてしまうことが多い。北嶋が前を向いて勝負できれば、アラウージョや久保山がもっと生きるシーンが多くなるはずだ。
しかし、G大阪の西野監督は記者会見で「北嶋を抑えるために3バックから4バック変更した」と言う。北嶋がさばいて、アラウージョや久保山が絡むことを嫌がった。対して、シジクレイは「押し込まれたように見えるかもしれないけど、それほど怖いとは思わなかった」と言い、それぞれの印象の違いが浮き彫りになった。サッカーに絶対的な正解はないが、シジクレイの印象のほうが共感を持てた。G大阪は58分に宮本を投入して4バックにシステム変更をして、シジクレイをボランチに上げるのだが、彼がディフェンスラインにいたほうが北嶋はやりにくかったのではないか。4バックに変えて人数が増えたほうが、マークが曖昧になっていたようにも感じる。
清水に効果的なプレスをかけられていたが、G大阪の攻撃が単調だったわけではない。前半は、フェルナンジーニョが一旦消えて、マークを外してからゴール前に飛び込んでチャンスを作った。また、自らドリブルでチャンスを作るなど、清水のディフェンスラインを翻弄した。清水の戸田は、この試合では左サイドバックに入っていたが、フェルナンジーニョが自分のゾーンに入ってきたときは、カード覚悟のプレスで何度も彼を倒した。それだけ警戒していたのだが、戸田はボランチのほうがより活きたし、フェルナンジーニョをもっと押さえ込むには戸田をボランチに入れるべきだった。
お互いに、シュートチャンスはあったものの決めきれず、4バックにした直後のG大阪ディフェンスが混乱している隙を清水が突くかと思われた。が、そうはならなかった。67分、北嶋に変えて新戦力・チョ ジェジンが投入されたが、合流して間もないためかコンビネーションが合わず、G大阪を苦しめた北嶋、アラウージョ、久保山のトライアングルが崩れただけだった。84分にコーナーキックから大黒にゴールを決められると、澤登、高木と選手交代のカードを切ったが、戸田が87分に退場して一人少ない清水はG大阪ディフェンスを崩すことはできなかった。2連勝のG大阪に対して清水が見せたサッカーの内容はよかった。失点もセットプレーからと、崩されたわけではない。今後に期待することができる内容だった。一方、G大阪はスペースがないところではフェルナンジーニョ頼みの部分があり、優勝を目指すにはこの点をどう改善していくかという課題が見えた。彼をマンツーマンで潰されたときは、なかなか決め手が出てこない。西野監督がこの課題をどう解決するのか今後の注目点になるだろう。
以上
2004.8.30 Reported by 松尾 潤
J’s GOALニュース
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