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【J1-2nd:第3節 柏 vs 広島 レポート】引き分けでも好印象を与えた90分間の戦い(04.08.30)

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8月29日(日) 2004 J1リーグ戦 2ndステージ 第3節
柏 2 - 2 広島 (19:00/柏/7,049人)
得点者:'10 ベット(広島)、'49 近藤直也(柏)、'69 玉田圭司(柏)、'79 盛田剛平(広島)
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 雨の降りしきる中で行なわれた柏と広島の一戦は、双方譲らず2-2の引き分けに終わった。序盤は広島が少ないチャンスを活かしてベットのゴールで先制するも、柏は後半にFKから近藤のヘッドで同点に追い付くと、エースFW玉田がドリブルからDFのマークを振り切って豪快なシュートを叩き込み逆転に成功。そのまま柏ペースで進むかと思われた79分、森崎浩の中央突破からチャンスを作った広島が最後は盛田が押し込み、結局ドローに終わった。年間総合順位で下位に低迷する両チームの対戦だったものの、その内容は見応えがあり、決して悲観するものではなかった。

 前向きな評価ができる要因として挙げられるのが、お互いにチームコンセプトをはっきりとピッチで示せていたことだ。
 柏なら、両サイドからの攻撃と、セットプレーの精度の高さ。特にサイドでは広島の右サイドバック、若い高柳のポジションを、玉田、加藤、茂原が入れ替わりながら攻め込んで、執拗にクロスを試みた。結果的にはゴールにつながらなかったものの、「形」という意味において一定の効果があった。欲を言えば、右サイドの波戸からのアタックがまだまだ少ないように感じられたが、サイドからトップの山下、玉田に当てるという意識付けはできていた。

 一方、広島で目に付いたのが球離れの速さ。例えば前半、自陣FKからカウンターのような形で服部、森崎和、ベットとつないで決めたゴール。ダイレクトでポンポンとパスを回し、柏DFが戻り切らないうちに、得点まで持っていったプレーは印象的だった。このほかにもアテネ五輪から戻ってきた森崎浩を中心に、「ワンタッチ、ツータッチで崩すウチのサッカー」(森崎浩)を展開し、若さと運動量を存分に活かすことができていた。後半の序盤は少しバテていたのか、ボールをうまく回せず相手の反撃を許したが、これが90分間できるようになれば、広島のチーム力はさらに上がるのではと思う。

 そして、ともにキープレーヤーの存在が改めてはっきりしたことも大きい。柏ならもちろん玉田。69分のゴールは圧巻だった。ハーフウェイライン付近から約50メートルを独走し、DFの厳しいマークを次々と振り切ると、倒れ込みながら左足で強烈なシュート。このプレーを見ただけでも、サポーターは雨のなかで観に来た甲斐があったはず。負傷気味でも、相手DFの激しいマークに遭っても、ここ一番で決めることができるエースが前線に存在するのはチームにとってどれほど心強いだろうか。

 また、広島では森崎浩。中盤左サイドから、中央、右へと自由に動き回り、攻撃の要所で必ずボールに絡んでいた。惜しくもゴールはならなかったものの、前半に見せた左足でのシュート(クロスバー直撃)や、同点に追い付くきっかけとなった中央突破は、つなぎに固執しそうなチームのなかで、ひとつのアクセントになっていた。「プレーが流動的になって、相手を崩しやすくなる」と高柳も言うように、彼の役割は広島の攻撃を組み立てる上では、今後も欠かせない。

 柏の早野監督は「再スタートとして完全な一歩とまではいかなかったが、顔が上がって一歩という感じ」と試合後にコメントしていた。この言葉が象徴するように、下位からの脱却を図るためにも、柏と広島にとってこの一戦が何らかのきっかけになればと願いたい。そう感じさせてくれた90分間だった。
 
以上

2004.8.30 Reported by スポマガ WORLD SOCCER
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