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【J2:第31節 水戸 vs 湘南 レポート】『勝ち点1』の憂鬱。水戸は好ゲームも8試合連続のドロー(04.08.30)

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8月29日(日) 2004 J2リーグ戦 第31節
水戸 0 - 0 湘南 (19:01/笠松/1,338人)
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 試合後、水戸の前田監督は「勝たなければいけない試合だった」。そして湘南の望月監督は「難しいゲームだった」と語った。このコメントが、今節をまさに象徴している。水戸にとってはホームで勝てる試合を取りこぼしての『勝ち点1』。そして湘南はアウェイで粘り強く守りきった『勝ち点1』だった。

 ゲームは、全体を通して水戸が主導権を握る内容で、特に両サイドの攻防では、オフェンス、ディフェンス両面で水戸が湘南を圧倒した感があった。
 3バックの湘南は両サイド、右に加藤(後半36分に石田と交代)、左に坂本を置き攻撃の起点にしたかったが、対する水戸は右は関(後半途中より永井がポジションチェンジ)と須田、左は秦(後半32分に伊藤と交代)と小椋の2枚で対応することによって相手に自由を与えず、むしろ執拗に早いタイミングでオープンスペースをついていった。これにより湘南両サイドは守備に忙殺され、攻撃に移るタイミングを未然に摘まれる結果になった。ゲーム終盤では、湘南はFWの柿本、佐野、あるいはトップ下の鈴木がオープンに流れ水戸バックラインの背後を突いていたが、人数的な優位を作るには至らず得点機会とはならなかった。

 この流れは、まさに今年の水戸が目指しているサッカーで、ゲーム内容的にはある意味納得のいく出来だったようにも思える。「1:帰陣を早くし、相手の攻撃を遅らせる→2:やや低い位置でのプレスポイントとバックラインで相手が使いたいスペースをなくし、サイドからの攻撃を手詰まりにさせる→3:そしてボールを奪ったら、サイドにできたスペースを使ってシンプルに早いタイミングで攻撃する」。今日できなかったことといえば、「4:そしてチャンスをつくり得点する」という点だけだったのかもしれない。しかしながら、『勝ち点3』奪取には、そこがいちばん大切なポイントなのだが…。

水戸が今後必要とする修正点は、決定力はもちろんなのだが、その前段階の「サイドからの攻撃を楽にするための中盤の工夫」だろう。オープンサイドに展開しても、相手も予測した上で対応しているので決定的なシーンにはなりにくい。一時的に敵陣深くまで押し込めるので、逆襲を喰らう危険は少ないのかもしれないが、それだけではいわば『勝ち点1をとるためのゲームの進め方』と言わざるを得ない。得点シーンを作るには、サイドを崩したと同時に中(ゴール前)が薄くなる局面をつくることが必須。それには、サイドを効果的に攻略し、相手ディフェンスを中央から引っ張り出さないといけない。この点の改善がなければ、「精度の低いクロスを上げても、はね返されてセカンドボールも拾われる」という展開になるに違いない。新加入の永井が機能していることで、徐々にアクセントがつきサイドが生きてきた感があるが、終盤戦に向けてチーム全体のイメージの共有がさらに必要になる。

一方湘南は、サイドからすんなり突破できなかったときの対応が修正すべき点であろう。サイドで起点を作るというチームコンセプトの浸透は高いレベルで成熟されているものの、個人のスピードや技術での突破が難しくなったときに、組織としてどう突破していくのか。また、違った崩し方のバリエーションという点に課題を感じる。特に今節のように、サイドにスペースを与えられなかったり、サイドの起点を比較的低い位置にしなくてはならなくなったときの対応は、残りのゲームを戦う上で必要不可欠な点になるはずだ。

両チームとも、集中を切らさずに本来の力を発揮すれば、しっかりと守れるディフェンス力を有している。勝ち点3を続けて重ね上位に食い込むには、ディフェンスに加えてフィニッシュまで持っていけるプロセスを数多く持つことが必要だ。いい試合はできるが、勝つことが難しい。そんな憂いを感じる雨の一戦となった。

以上

2004.08.30 Reported by 韋駄天高介
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