8月29日（日） 2004 J2リーグ戦 第31節
京都 2 - 1 大宮　（19:04／西京極／8,559人）
得点者：'15 崔龍洙（京都）、'80 森田浩史（大宮）、'89 田原豊（京都）

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3位（大宮）と4位（京都）の直接対決。どちらも負けられないのは当たり前だが、京都にとってはもうひとつ大きな意味があった。松井大輔が、フランス2部リーグのル・マンへの期限付移籍で旅立つため、この試合が京都でのラストゲームとなるのだ。「松井のために」京都はその言葉を胸にピッチに立つ。京都のキックオフで試合は開始された。

大宮はここまで、というより、ずっと同じスタイルで戦ってきた。それは中盤を省略して2トップへ何本もパスを供給するというものだ。この変わらぬスタイルが浸透しているため、選手を変えようとも大きな崩れを起こさない。それは、この試合でも発揮される。
京都の松井がタイミングよく飛び出しチャンスを作るも、大宮の4バックは粘り強く守り抜く。そして、バレー、トゥットのいる前線へボールを送る。再三、京都ディフェンスの裏へ飛び出す大宮2トップ。オフサイド数が前半だけで5つという数字がその積極性を表している。

試合が動いたのは15分、京都が左CKを崔龍洙がショートコーナーで松井へ、崔龍洙はそのリターンをもらいドリブルシュート。そのボールが大宮ゴールに吸い込まれて京都が先制。腰痛を押してピッチに立った崔龍洙のゴール。そして、アシストは松井。

この日の京都はボールへの寄せが早く、大宮に攻撃の形をなかなか作らせなかった。京都はディフェンスラインで楽にボールを回し、簡単にサイドへ展開していく。時折、大宮が縦への早い突破からバレー、トゥットらがシュートを放つが、ボール支配は京都。その中でも松井のキープ力は際立っていた。どんなに体勢を崩していても大宮にボールをとられないため、京都も何度も松井にボールを預ける。前半は京都のペースで終わった。しかし、それでもシュート数だけみれば、大宮のほうが多く試合の行方は分からない。

後半は、大宮が序盤から猛反撃を開始する。前線から早く寄せて京都のパスミスを狙う。サイドも前がかりになり、京都が守勢にまわる。51分にはバレーが強烈なミドルシュートを放つがキーパーの平井がナイスセーブではね返す。大宮はさらにマーカス、バレー、久永を下げ斉藤、森田、島田を投入して攻撃を仕掛ける。京都は熱田に代えて、ディフェンス力の高い冨田、崔龍洙に代えて中山を入れる。

そして80分、中央で金澤が放った強烈なミドルシュートがバーに当たり、そのこぼれ球を森田が頭で押し込み大宮が同点に追いつく。その後はお互い攻め合いながらも得点には届かない。

残り4分、京都は黒部に代えて田原を投入する。そして、89分、その田原が冨田のクロスに頭で合わせて決勝点をあげる。試合後、「松井のために決められて嬉しい」と語ったように、最後まで松井のために戦った京都。そのモチベーションの高さが終了間際の田原の決勝ゴールにつながった。

この結果、京都は2位に順位を上げ、大宮は2つ順位を落とし5位。しかし勝ち点差5の中に6チームがひしめく混戦には変わりない。1ヶ月に7試合を戦った両チーム。9月に入り、この混戦から一歩抜け出すことができるか？

試合後、西京極では松井の壮行セレモニーが行われ、松井はサポーターに挨拶をして、戦いの場を世界へと移す。

以上

2004.08.29 Reported by 武田賢宗