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【J1 2ndステージ 第15節 浦和 vs 鹿島戦レポート】鹿島を襲ったロスタイムのドラマ(03.11.30)

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浦和 2 - 2 鹿島 (14:04:埼玉) 入場者数 51,195人
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 試合も終盤に差し掛かり、まもなくロスタイムに突入かというころ、鹿島のトニーニョ・セレーゾ監督はベンチを飛び出し、しきりに選手にゲキを飛ばしていた。それはさも“あと数分守りきれば優勝だ”と、選手たちに伝えているように、僕の目には映った。

 他会場の結果を確認すると、横浜がロスタイムの久保の決勝ゴールで磐田を2-1とリードしたことが分かった。なるほど、このまま逃げ切れば鹿島が逆転優勝か。

 しかし、ドラマの幕はまだ下りていなかった。その直後、逃げ切りを図りたい鹿島をあざ笑うかのように永井がドリブルで右サイドを突破すると、中央へやわらかいクロスを送る。そして、ニアに走り込んできたエメルソンが頭で合わせると、ボールは鮮やかな弧を描き、ゆっくりと鹿島ゴールへと吸い込まれていった。

 その瞬間、喜びを爆発させる浦和イレブンとは対照的に、鹿島イレブンはがっくりと肩を落とした。GK曽ヶ端は倒れ込み、DF秋田は天を見上げ、顔面を手で覆った。試合は2-2の引き分けに終わり、目の前にあった鹿島の優勝は、横浜の元に転がり込んでいった。
 
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 立ち上がりからモチベーションで上回り試合を優位に進めたのは鹿島だった。そして6分、小笠原の見事なボレーで先制すると、32分にも深井のドリブル突破から最後は青木がJ初ゴールを決めて、鹿島が前半だけで2点のリードを奪った。

しかし迎えた後半、ホーム最終戦での黒星は避けたい浦和も反撃を開始。46分、出場停止から3試合ぶりに戻ってきたエメルソンがPKを失敗するが、60分には「リスクを覚悟して」(オフト監督)山瀬に代えて永井を投入し、3トップで勝負に出る。

 すると、これが功を奏し、76分にエメルソンのシュートのこぼれ球を永井が押し込み、1点差に詰め寄ると、ロスタイムには今度は右サイドを突破した永井のクロスにエメルソンがヘッドで同点弾。終盤に粘りを見せた浦和が土壇場で2-2の同点に追い付いた。

 鹿島の優勝を阻んだ浦和の選手たちは口々に「後半はレッズらしさが出た。目の前で優勝されるのだけは嫌だった」とコメント。

 一方、鹿島の守備の要・秋田は「ぜんぶ自分の責任です。勝てるチャンスがあったにもかかわらず、自分自身がそのチャンスを消してしまい、チームメイトに迷惑をかけてしまった」と、2点のリードを最後まで守り切れなかったことを悔やんだ。

中盤の青木は「勝てば、優勝できる状況だっただけに悔しい。他会場の結果よりも、まずは自分たちが勝つことを考えていた。2点リードしたことで守備的になってしまった」とうなだれ、他会場の結果については「終わるまで知らなかった」とコメントした。

 そして、トニーニョ・セレーゾ監督は「守備に関しては問題なかったが、攻撃でもう少しボールキープできればよかった。体力的消耗が最後に来てしまった」と振り返った。

 優勝が目前に迫りながらセカンドステージ7度目の引き分け終わった戦いぶりは、今季の勝ち切れない鹿島を象徴するような試合だったように思う。

2003.11.30 Reported By スポマガWORLD SOCCER

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