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大分
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今季のみどころ
J2仕様へのグレードアップが今オフのポイントになるなか、限られた予算で的確かつ効果的な補強をした印象だ。西山 哲平強化育成部長は、大分らしさを取り戻すことをテーマに掲げ、補強を進めた。まず優先したのは、昨シーズン積み上げたパスサッカーに適した選手の獲得だ。ダニエル、キリノ、パウリーニョと契約しなかったことからも分かるように、個の力より組織力に寄与し、複数のポジションでプレーできる選手を集めることに重点を置いた。「今年は原点に戻る意味でも、組織として戦える選手を獲得した」とは西山 部長の言葉だ。
象徴的なのは、一度クラブから離れたアカデミー出身の「呼び戻し組」の獲得だろう。まずはユースから大学へ進学して大分に戻ってきた國分 伸太郎、ユースから大学へ進学し、他クラブで経験を積んだ岸田 翔平、そしてユースからトップチームに昇格し、他クラブに移籍し戻って来た小手川 宏基。彼らは「大分愛を持った選手」であることはもちろん、あらゆる現実の問題をクリアして登りつめたタイプなだけに反骨心が強く、勝利に対する欲、競争意識にもの足りなさが残るチームの活性化につながるはずだ。
さらに、2014年に期限付きで途中加入したFW林 容平の慰留に失敗して以降、2年連続オファーを出し続けついに獲得に成功。センターラインの強化としてJ1、J2で実績のあるCB竹内 彬、GK高木 駿も加わった。J2で十分戦える戦力が整ったと言える。1年で片野坂 知宏監督が志向する大事にボールを動かすサッカーは浸透した。2年目を迎える指揮官が、昨シーズンの戦力をベースに新しい力を引き出すことができるかが上位進出の鍵になる。
Reported by 柚野 真也