前回のブラジル大会で得点王に輝き、ワールドクラスへの仲間入りを果たしたこの男も、ここまでの４年間は平たんな道のりではなかった。一時期は所属先でポジションを失い、代表でも試合勘が戻らない苦心の時期を過ごしたことも。しかし、バイエルンへの電撃加入を機に完全復活。本来兼ね備えていたインテリジェンスの高さと繊細なボールタッチはもとより、戦術理解度や周囲の良さを引き出していく「司令塔」としての能力が輝き始めた。周囲から個の力に依存していると批判を寄せられるコロンビア代表において、攻撃のタクトを握るこの１０番がどれだけチームの力へと変えられるか。飛躍への扉はそこに隠されている。