節ごとに首位チームが入れ替わる混戦の明治安田生命J2リーグは、つばぜり合いを続けていた上位集団が、徐々にばらつきを見せ始めている。
頭一歩抜け出したのは、福岡と湘南の2チーム。昨季のJ1チームが次第にその力を示し始めたと言えるだろう。
両チームともに6月は3勝1分と負けなし。福岡は名古屋との上位対決を制したのが大きく、湘南は3勝すべてが1-0の勝利と、したたかな戦いを続けている。ともに攻守両面で安定感を備えているだけに、今後もコンスタントに勝点を積み上げていくだろう。
3位の東京Vも粘り強い戦いを続ける。松本、名古屋など難敵との対戦が続いた6月を2勝2分と負けなしで乗り切ったのは大きい。安定した守備に加え、ここ2試合で7得点と攻撃力が高まっているのも好材料。2強を追いかける立場として、今後も存在感を放っていきそうだ。
特大の驚きを提供したのは水戸だ。6月は4戦全勝で一気に4位に浮上。一躍、昇格候補へと名乗りを上げている。組織的な攻撃と安定した守備力を備え、終盤での得点で勝利を手にするなど、勝ち切る力も育まれている。現在、13試合負けなしの水戸の快進撃は果たしてどこまで続くのか。7月以降の戦いからも目が離せない。
名古屋は苦しい戦いが続く。第17節から3連敗を喫するなど、一時はプレーオフ出場圏内からも脱落した。直近の第20節では長崎に勝利し再び息を吹き返したが、試合によってパフォーマンスに波があり、不安定さが目に付く。上位に食らいついていくためにも、正念場の7月となりそうだ。
3勝を挙げた徳島には再び勢いが生まれている。一方で横浜FCは思うように勝点を積み上げれず、7位に転落。直近の2試合ではともに完封負けを喫したように、得点力の低下が苦戦を招いている。もっともこの横浜FCから11位の愛媛までは、上位を射程圏内に捉えているだけに、今後、リーグ戦の主役に躍り出る可能性を十分に秘めている。
苦しい戦いが続く松本は、6月も1勝2分1敗と勢いに乗れなかった。千葉は勝ち負けを繰り返し、浮上の兆しを見出せていない。調子を上げつつあった岡山は、ここ2試合を勝ち切れず、上位進出を実現できなかった。
負けなしを続けていた京都も直近の2試合で連敗。岐阜、町田は6月に勝利を挙げられず、中位以下に沈んだままだ。下位チームのなかで唯一、光明を見出したのは6月に3勝を挙げた金沢。いずれも3得点を奪っての勝利と、攻撃面が機能し始めている。失点の多さは気がかりながら、この勢いを保てれば、さらなる上昇も可能だろう、
監督を交代した熊本だが、6月は4戦全敗と苦境から抜け出せていない。同じく監督交代に踏み切った山口は第20節の熊本に2-0と快勝を収め、今後の戦いに期待が生まれている。
好転の兆しを見せたかと思われた群馬も6月は4連敗。しかもひとつの得点も奪えておらず、深刻な事態へと陥っている。