明治安田生命J1リーグは4月に5試合を消化し、首位から5位まで勝点3差にひしめき合う混戦となっている。
4月にもっとも勝点を稼いだのは5節の神戸戦から4連勝を達成した首位の浦和。AFCチャンピンズリーグ(ACL)との並行スケジュールながら、圧倒的な攻撃力を示し、どちらのコンペティションでも結果を出し続けた。とりわけ第6節の仙台戦では7ゴールを奪う異次元の強さを披露。力強く首位を走ったものの、第9節の大宮とのさいたまダービーで惜敗し、5連勝はならなかった。それでも興梠 慎三やラファエル シルバといった攻撃陣が好調を維持しており、今後もリーグを牽引する存在としてあり続けるはずだ。
2位に浮上したのは、G大阪。第6節に広島に敗れたものの、4月を3勝1分1敗で乗り切った。怪我人が増える中でも堂安 律といった新たなタレントが台頭。総合力の高さを示している。鹿島は勝ち負けを繰り返す出入りの激しい状況ながらも3位に踏み止まる。エース、金崎 夢生が状態を上げており、今後の戦いに期待が持てる。
4月を負けなしで乗り切ったC大阪も今後が楽しみなチームだ。守備の安定に加え、第9節に清武 弘嗣が復帰後初ゴールをマーク。スペイン帰りのアタッカーがコンディションを高めており、今後は課題の攻撃面も良化していきそうだ。浦和とともに4月の最多勝点を獲得したのは柏。清水に敗れたものの、神戸、広島、横浜FMらを撃破。三度のクリーンシートを演じたように、守備の安定が好調の要因だ。序盤のつまずきを取り返し、6位に浮上。5月以降の戦いにも注目が集まる。
逆に神戸は4月に大いに苦しんだ。1勝4敗と突如失速し、7位に転落。現在、2試合連続完封負けと得点力不足に苦しんでいる。元ドイツ代表のルーカス ポドルスキの加入が決定しているものの、この大物ストライカーが合流するまで、何とか上位に踏み止まっておきたい。川崎Fも4月はわずか1勝と苦戦。3試合連続ドローを演じるなど、勝ち切れない戦いが続く。終盤の失点が多いだけに、90分を通した試合運びの安定感が求められる。
横浜FMも序盤の勢いが消え、4月は2勝にとどまった。仙台は大量失点を喫する試合が目立ったものの、直近の2試合では好転の兆しを見せている。
昇格組の清水と札幌は、粘り強い戦いを見せているが、14位、15位と結果は芳しくない。下位に目を向ければ、一昨年の王者である広島の状態が深刻だ。得点力不足を露呈し、ここまでわずかに1勝のみ。復調の兆しは見えてこない。開幕から連敗が続いていた大宮は、浦和とのさいたまダービーで今季初勝利。最大のライバルから上げたこの勝利をきっかけに、5月の反攻を実現したい。
なお4月の注目トピックとなっていたJ1通算2万ゴールの行方は、清水の金子 翔太が第8節の川崎F戦で達成している。