30日に一斉開催となる第9節。4連勝で一歩抜け出した感のある浦和に他チームが追随できるか。シーズン前半戦の重要な局面を迎えている。
浦和は敵地で大宮との「さいたまダービー」を迎える。1試合平均3得点と圧巻の攻撃力が光る浦和だが、前節は札幌に2失点を喫したように、守備に関しては盤石とは言えない。今節も押し込む展開が予想されるなか、攻め込んだ際のリスクマネジメントが求められるだろう。一方、未勝利で最下位に沈む大宮にとっては、このライバル対決を好転の契機としたい。守備を意識しつつ、相手の隙をいかにつけるかどうか。粘り強く対応し、ホームの後押しを力に変えたい。
2位のG大阪は横浜FMとのアウェイゲーム。前節はゴールラッシュで大宮に圧勝。ハイプレスがはまり、素早い攻撃から次々にゴールを奪った。今節も同様な展開に持ち込みたいところだが、打開力に優れる横浜FMの両サイドには警戒が必要。プレスをかいくぐられ、前に運ばれるようだと苦しい展開に陥るかもしれない。
2連敗と勢いが失われてきた神戸はホームに甲府を迎える。ここ2試合、攻撃陣が沈黙するなか、水曜日に行われたルヴァンカップで新加入の田中 順也が2ゴールを挙げたのは好材料。この左利きのストライカーが起爆剤となれるのか。そのパフォーマンスに注目だ。対する甲府は3試合勝利から見放されている。こちらも得点力不足が気がかりな点。ドゥドゥら前線の選手たちの奮起が求められる。
4位の鹿島はホームに鳥栖を迎える。前節は磐田に0-3と完敗を喫したものの、水曜日のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)では蔚山に完勝。ラウンド16進出を決めたこともあって、良いメンタルで今節に臨めるだろう。この試合で2ゴールを奪った金崎 夢生ら攻撃陣が状態を上げているのも好材料。ホームで勝点3を確保し、浦和を追走したい。前節、神戸に勝利した鳥栖も状態は悪くない。持ち前の堅守をベースにしつつ、強力2トップの持ち味を生かす戦いで、王者撃破を狙う。
FC東京はホームで広島と対戦。前節は新潟に完勝を収め連敗をストップ。大久保 嘉人にゴールが生まれたのも明るい材料だ。また故障明けの髙萩 洋次郎も先発出場が濃厚。古巣相手にいかなるパフォーマンスを見せるのか、要注目だ。広島は6節に初勝利を挙げて以降、再び結果が付いてこない状態に陥っている。前節は2点を先行しながらも逆転を許し、終了間際のゴールで何とか引き分けた。不安定な戦いが続くなか、求められるのは安定した守備組織だろう。FC東京の攻勢に粘り強く対応しながら、リズムを掴んでいきたい。
2連勝で6位に浮上した磐田は、ホームでの札幌戦。前節は中村 俊輔のスーパーゴールなどで鹿島に完勝と勢いに乗る。もっともその中村が練習中に負傷したとの情報もあり、今節の出場は不透明。仮にこの10番を欠くようだと、苦しい戦いとなるかもしれない。札幌は結果こそ出ていないものの、前節は浦和を最後まで追い詰めるなど、サッカーの内容自体は悪くない。頼れるエース都倉 賢を中心に、磐田の堅守をいかにこじ開けていくのか。守から攻への素早い切り替えが、ポイントとなりそうだ。
C大阪vs川崎Fはともに3勝4分1敗の成績で並ぶ。安定感は備わるものの、勝ち切れないという共通項もある。前者は2試合、後者は3試合連続引き分け中。いかに勝ち切るための戦いができるかどうか。両者ともに試合終盤にスコアが動く展開が多く、今節もラスト15分にドラマが待っているかもしれない。
清水はホームに仙台を迎える。前節は終了間際のチアゴ アウベスのゴールで川崎Fと引き分けている。その試合で2万ゴールのメモリアル弾を決めた金子 翔太が今節も注目選手に。果敢な仕掛けと献身的な守備を備えるこの小柄なストライカーのさらなるブレイクに期待したい。仙台は前節連敗を止めたものの、失点の多さは相変わらず。ここを修正できないようだと、今節も苦戦は免れないだろう。
17位に沈む新潟はホームで柏と対戦。前節はFC東京の圧力に耐えきれず、0-3と完敗を喫した。持ち前の堅守速攻を取り戻し、今季2勝目を目指す。対する柏は2連勝と調子を上げている。攻守ともに安定感を高めており、怪我人の復帰で戦力値も戻っている。3連勝を達成し、上位進出へと名乗りを上げたい。
■各試合の見どころをチェック
清水vs仙台
新潟vs柏
大宮vs浦和
FC東京vs広島
磐田vs札幌
鹿島vs鳥栖
神戸vs甲府
横浜FMvsG大阪
C大阪vs川崎F