2月2日に開幕する、2017 JリーグDAZNニューイヤーカップ 宮崎ラウンドに出場する4クラブのチーム紹介です。
■鹿島アントラーズ
束の間のオフを経て、昨季のJ1王者は新シーズンに向けて、急ピッチで準備を推し進めている。
1月24日からタイで行われた「2017 Jリーグアジアチャレンジinタイ インターリーグカップ」では、まだ調整段階ということもあり1勝1敗の結果に終わったものの、期待の新戦力が可能性を感じさせるプレーを披露した。とりわけレオ シルバ、ペドロ ジュニオールと長年Jリーグで活躍するふたりのブラジル人選手は、その実力に違わぬパフォーマンスを見せつけ、チームの中軸となり得る可能性を示した。
金森 健志ら他の新加入選手は、タイではアピールできなかったものの、ポテンシャルの高さに疑いはなく、チームに溶け込んでいけば、十分な戦力となれるだろう。
優勝を成し遂げた昨季の戦力に、いかに上積みできるかが、リーグとAFCチャンピオンズリーグを並行して戦う、今季の鹿島のテーマだ。その意味で、このニューイヤーカップは、重要な意味を持つ。タイではコンディションを高めることに時間を割いたものの、宮崎ではよりシーズンを意識した戦いを示すはずだ。
タイから帰国後に、韓国代表GKクォン スンテの加入が決まるなど、さらなる戦力アップを実現した鹿島。「どんな試合でも結果に拘るのが鹿島」というクラブの伝統を携えて、宮崎でも結果と内容の両立を求めた戦いを見せるだろう。
■横浜FC
昨季の明治安田生命J2リーグでは、8位に終わり、プレーオフ進出をあと一歩のところで逃した。2007年以来10年ぶりとなるJ1昇格に向け、今季はその一歩を埋める作業が求められる。
町田からカルフィン ヨン ア ピン、川崎Fから小宮山 尊信ら実力者を獲得し、戦力アップに成功。とりわけ最終ラインは大きくパワーアップした印象だ。一方で前線は上積みこそならなかったものの、なにより大きいのは昨季、18ゴールを挙げたイバの留意に成功したこと。この頼れるエースのパフォーマンスが、今季もチームの命運を左右することになりそうだ。
中田 仁司監督のもと、組織力は着実に高まっているだけに、新戦力が期待通りの働きを見せれば、昨季以上の順位を実現できるはず。まずはこのニューイヤーカップで、その可能性を示したい。
そして、今年、50歳を迎える三浦 知良の存在も、大きな注目となる。日本サッカー史に名を刻むレジェンドは、いかなるパフォーマンスを見せてくれるのか。今季もその一挙手一投足から目が離せない。
■アビスパ福岡
1年でJ2に戻ることになった福岡だが、再び這い上がるために、今オフは積極的な補強策に打って出た。
金森 健志が移籍した前線には、ジウシーニョ、松田 力を補強。神戸から石津 大介も復帰し、昨季以上の厚みを備える。エースのウェリントンを軸に、そのパートナーを誰が務めるのか。激しいポジション争いが繰り広げられそうだ。
中盤には経験豊富な山瀬 功治を獲得し、最終ラインには岩下 敬輔を補強。各ポジションに上積みを果たし、昨季以上の陣容を手にしたと言える。
3シーズン目を迎える井原 正巳監督のもと、今季もベースとなるのは堅守速攻スタイルだろう。そこに、得点力をいかに高められるかが、新シーズンの最重要テーマとなる。
昨季J1王者の鹿島だけでなく、昇格争いのライバルとなり得るJ2の2チームと対戦する今回のニューイヤーカップは、そのテーマを確認するための絶好の機会となる。安定した守備を軸に、いかに質の高いアタックを繰り出せるかどうか。自信と手ごたえをつかみたい。
■V・ファーレン長崎
プレーオフ進出を果たした一昨季から一転、昨季は15位と大きく低迷した。自慢の堅守が崩れたことが最大の原因で、引き分けが17を数えたように、勝ち切れなかったことも響いた。
昨季、17ゴールを挙げた永井 龍をはじめ、多くの主力がチームを去った今季は、チームの再構築を求められることになりそうだ。
5シーズン目を迎える高木 琢也監督のもとで、立ち返るべきはやはり堅守の構築だろう。高杉 亮太を軸とする3バックを安定させつつ、新加入の古部 健太、飯尾 竜太朗らポジションを争う両サイドから攻撃のクオリティをいかに高められるかが、カギを握る。また永井に代わる新たなエースの台頭も求められる。
注目は、新加入のスペイン人FWファンマ。188センチの長身ストライカーが、期待に応える活躍を示せれば、上位進出も見えてくる。
とはいえ、まずは守備の安定感を取り戻すことが、開幕までの重要なミッションとなる。実力を備えたJ1、J2のチームと対戦するこの宮崎で、“堅守復活”の手ごたえをつかみたい。