今シーズンの明治安田生命Ｊ２リーグも、残すところ5試合。「優勝」「自動昇格」「プレーオフ進出」「残留」と、すべての争いがますますヒートアップしてきている。
「優勝」争いをけん引する札幌は、アウェイで熊本と対戦。前節、東京Ｖを相手に苦杯をなめただけに、その嫌な流れを断ち切りたいところ。ここ2試合で4失点と自慢の堅守に陰りが見えており、守備組織の修正が重要なテーマとなりそうだ。
札幌を追う2位の松本は山形とアウェイで対戦。こちらも前節は勝ち切れず、追撃を実現できなかった。13試合無敗と負けない戦いは実現できているだけに、「自動昇格」争いで優位に立つためにも、勝ち切るためのあと一押しが求められてくるだろう。
北九州に快勝し3位に浮上した清水は群馬の本拠地に乗り込む。大前 元紀と鄭 大世のダブルエースが絶好調で、現在4連勝中と勢いに乗る。今節も両ストライカーのパフォーマンスがカギを握るはず。唯一の土曜日開催の一戦で、先に勝利を収めて昇格を争うライバルたちにプレッシャーをかけられるか。
その清水にかわされ4位に転落したＣ大阪はホームに水戸を迎える。前節は終了間際の山村 和也のゴールでなんとか山形と引き分けた。先制しながら一時は逆転を喫した守備に課題が残るものの、負け試合を引き分けに持ち込めたことはポジティブに捉えていいだろう。自動昇格となる2位以内を実現するにはもはや負けられない状況のなか、前回対戦でも勝利した水戸から確実に白星を手にしたい。
6位京都と5位岡山の上位対決にも注目だ。ともに自動昇格の可能性は残すが、勝点差を考慮すれば「昇格プレーオフ」争いを勝ち抜くことが現実的な目標だろう。より良い順位でプレーオフに挑むためにも、ともに負けられない一戦に。プレーオフでも対戦の可能性があるだけに、お互い良いイメージを手にしたい思惑もあるだろう。5試合負けなしの京都に対し、岡山は3試合勝利がなく、赤嶺 真吾、岩政 大樹の2人が出場停止と苦しい状況にある。結果次第では順位が逆転する可能性もある一戦で、意地を見せるのは果たしてどちらのチームか。
プレーオフ進出にわずかに可能性を残す横浜FCはアウェイで山口と対戦。前節は群馬との打ち合いを制し、5試合ぶりの勝利を挙げた。望みをつなぐためにも、今節も勝ちにこだわった戦いが求められる。決して守備が安定しているとは言えないなか、好調を維持するイバの爆発が再び求められるだろう。
「残留」争いも熾烈を極めている。今節は最下位の北九州と21位の岐阜の直接対決が行われる。敗れればいよいよ「降格」の二文字が現実味を帯びてくる、まさにサバイバルバッチとなる。北九州は4試合負けなしと調子を上げていたなか、前節は清水に完敗。一方の岐阜は4連敗と苦戦が続く。前節も終盤の2失点で町田に逆転負けと、ショックが残る敗戦となった。状態としては北九州が優位と見られるが、岐阜とすれば粘り強い守備から前線の個の力を生かす戦いを徹底し、勝機を見出したい。
岡山に競り勝ち、降格圏から脱出した金沢は徳島とホームで対戦。ここ5試合で3勝と状態は右肩上がりで、上位の岡山から劇的な逆転劇を演じた前節の戦いも自信につながるだろう。苦しいシーズンを過ごしてきたなか、ようやく結果がついてきた金沢とすれば、この良い流れを保ち、一気に安全圏への進出を実現したいところだろう。
19位の讃岐は町田とアウェイで対戦する。4試合勝ちがなく、気づけば残留争いに巻き込まれてしまっている。敗れれば入れ替え戦行きとなる21位に沈む可能性もある。2連勝と好調の町田が相手と厳しいめぐりあわせではあるが、アウェイとはいえ勝点3奪取が至上命題となる。
東京Ｖはホームで愛媛と対戦。前節はアウェイで札幌を撃破し、状態は悪くない。中位を彷徨い続けた今季をいい形で締めくくるためにも、連勝を実現したいところだ。一方の愛媛は3試合連続引き分けと勝ち切れない戦いが続く。数字上では可能性を残す昇格プレーオフ出場へ向け、勝利を目指したアグレッシブな戦いに期待したい。
4連敗中の千葉は、前節11試合ぶりに勝利を挙げた長崎とホームで対戦。ともに昇降格にかかわらない試合となるが、開幕前は昇格候補に挙げられた同士の一戦。消化不良に終わったシーズン、最後に意地を見せたいところだ。
■第38節の見どころをチェック
群馬vs清水
千葉vs長崎
金沢vs徳島
山形vs松本
Ｃ大阪vs水戸
北九州vs岐阜
町田vs讃岐
京都vs岡山
山口vs横浜FC
熊本vs札幌
東京Ｖvs愛媛
