いよいよ残り2試合となった明治安田生命J1リーグ 2ndステージ。今節、浦和レッズが2週間前のルヴァンカップに続き、歓喜の瞬間を迎える可能性が高くなっている。アウェイで磐田と対戦する浦和は、勝つか引き分けならもちろん、たとえ敗れても2位の川崎Fが勝利以外の結果であれば、ステージ優勝が決定する。まさに王手をかけた状況で、この磐田戦を迎えるのだ。
現在5連勝中と優勝に向けて加速する浦和に、隙はほとんど見当たらない。前節は新潟に苦戦したものの、興梠 慎三の2ゴールで敵地で勝点3をモノにした。今節もアウェイでの一戦となるが、勢いに乗る浦和が一気にステージ優勝を成し遂げる可能性は十分だ。一方、残留争いに巻き込まれている磐田としても、負けられない一戦となる。年間順位16位の名古屋との勝点差はわずかに3。とはいえ勝てば残留を確定させられる可能性もあるだけに、今季ホーム最終戦で勝利を手にし、地元のファン・サポーターを安心させたいところだ。
浦和を追う2位の川崎Fは、逆転優勝のためには残り2戦で2勝が絶対条件。浦和の敗戦を待つ必要があるが、可能性がある限り最後まで全力で立ち向かうだろう。また年間勝点争いを考慮してもひとつでもポイントを多く積み重ねたい状況に変わりはない。前節は広島相手に2-0と快勝。前年王者を撃破した勢いをこの試合にもつなげたいところだ。対する鹿島は2連敗中と元気がない。失点が増えているのが気がかりで、ここの修正が求められるところ。チャンピオンシップ(CS)の前哨戦となる可能性あるだけに、両チームともに「先を考えた」戦略を打ち出してくるかもしれない。
CS出場の可能性をわずかに残す大宮は、アウェイで柏と対戦。残り2試合で2勝が必要で、鹿島が2敗すれば勝点で並ぶ。しかし、得失点差で16も開きがあるため、大量得点での勝利と、加えて鹿島の大敗が求められる状況ではある。とはいえ、数字上で可能性がある以上、大宮は多くのゴールを求めてアグレッシブな戦いを披露してくるはずだ。早い段階で先制点を奪い、“奇跡へのゴールラッシュ”を実現したい。
残留争いに目を向ければ、すでに湘南と福岡の降格が決定。残された1枠を年間勝点16位の名古屋、15位の新潟、14位の甲府、13位の磐田が争う構図となっている。
最も苦しい状況にある名古屋は、神戸とのアウェイマッチに臨む。前節はシモビッチのゴールで先制しながら、後半立ち上がりに失点し磐田と引き分けている。甲府に抜かれて再び降格圏へと沈んだ今、残された2試合はまさに総力戦で挑む必要がある。3試合負けがなく状態は悪くないだけに、前節のドローを引きずらずに上手く立て直したい。一方の神戸は前節仙台に完敗を喫し、ステージ優勝の可能性が潰えている。加えて今節はレアンドロとニウトンが出場停止と台所事情も苦しい。ひとつのモチベーションが消えたなかで、いかにチームを奮い立たせるのか。ネルシーニョ監督のマネジメント力に注目したい。
15位の新潟はG大阪とアウェイで対戦。前節は健闘を見せながらも浦和に惜敗。終盤の失点が勝敗を分けただけに、90分間を通じた安定した戦いが求められる。
14位の甲府は湘南の本拠地に乗り込む。前節は終盤の2ゴールで福岡に逆転勝利を収め、降格圏からの脱出を実現した。その試合で見せた粘り強さこそが甲府の真骨頂。すでに降格が決まり失うものがなくなった湘南が相手とやりづらさはあるだろうが、勝利すれば残留が確定する可能性もあるだけに、高いモチベーションと積極性を備えて、この試合に臨むはずだ。
FC東京と仙台はともに2連勝と好調チーム同士の一戦。優勝、残留争いともに無縁の一戦となるが、来季の戦いにつなげるためにも一つでも上の順位を実現する白星をつかみたいところだ。
3連敗中と元気がない広島は福岡と対戦。すでにタイトル獲得の可能性が消えたなか、今季ホームラストマッチで前年王者の意地を見せたいところ。先日引退を表明した森﨑 浩司の地元最後の試合を笑顔で締めくくれるか。
鳥栖は横浜FMとホームで対戦。こちらも退団が決まっている金 民友のホーム最終戦。7シーズン在籍した韓国人アタッカーの最後の雄姿に注目したい。
■2nd 第16節の見どころをチェック
鹿島vs川崎F
柏vs大宮
FC東京vs仙台
湘南vs甲府
磐田vs浦和
G大阪vs新潟
神戸vs名古屋
広島vs福岡
鳥栖vs横浜FM