前節は1位の札幌から5位の清水までが揃って勝利を収め、優勝争いに変化は見られなかった。今節も上位陣の戦いに注目が集まる。
札幌は長崎の本拠地に乗り込む。前節は都倉 賢の2ゴールなどで好調の群馬を撃破し、首位チームの勢いに陰りは見られない。安定感抜群の守備と勝負所を逃さないしたたかな戦いぶりは健在で、今節も主導権を握る戦いを演じるはずだ。対する長崎は5試合勝利から見放されている。得点力不足を露呈しているだけに、しばらくゴールから遠ざかるエース永井 龍の奮起が望まれるところだ。
2位の松本は群馬とのアウェイゲームに臨む。7試合負けなしで札幌を追いかけるなか、ポイントとなるのが攻撃力。3試合連続無失点と守備の安定感は抜群なだけに、いかに得点を奪うかが大きなテーマだろう。対する群馬は好調を維持していたものの、ここ2試合は勝利を掴めていない。コンスタントに得点を記録しているルーキー瀬川 祐輔のパフォーマンスが今節もカギを握りそうだ。
3位のC大阪はアウェイで北九州と対戦。好調を維持していた杉本 健勇を欠くなか、前節は長崎に快勝。今節もこの得点源の不在が濃厚ながら、玉田 圭司ら他の攻撃陣が状態を上げているのは好材料。敵地での一戦とはいえ下位に沈む北九州から確実に勝利を収め、上位追撃を実現したい。
4位の岡山は熊本とのアウェイゲームに臨む。前々節は千葉に完敗を喫したものの、そこから上手く立て直し、前節は終了間際の一撃で山口に競り勝った。その良い流れをこの試合にも持ち込みたい。対する熊本は、ハードスケジュールの影響もあり、現在5連敗中。ようやく1週間のインターバルを経て臨める今節は、良い状態で臨めるはず。ホームでの一戦で、久しぶりの勝利を掴めるか。
上位陣で唯一ホームで戦うのは清水。4試合負けなしと好調を維持しており、前節は復帰したエース大前 元紀がいきなりゴールを奪っており、シーズン終盤に向けて頼もしい存在が戻って来たのも好材料だ。今節対戦する水戸も3戦負けなしと一筋縄ではいかない相手だが、圧倒的な攻撃力を武器に3連勝を狙う。
プレーオフ出場圏内を争う7位横浜FCと6位京都の一戦も白熱しそうだ。両者の間には7ポイントの差があるものの、横浜FCが勝利すれば4ポイント差につまり、残り試合を考えれば逆転する可能性も十分にある。一方で京都とすればその差を広げる絶好のチャンス。急上昇してきた横浜FCが勢いでは上回るものの、京都も持ち前の堅守を武器に粘り強い戦いを披露するだろう。
千葉vs山口の一戦も興味深い。千葉は守備に安定感が生まれ、2連勝と調子を上げてきた。一方の山口は4試合勝利から見放されているが、持ち前の攻撃スタイルは健在で、内容自体は決して悪くない。前回対戦で4-2と勝利した相性の良さも自信となるだろう。山口が攻め、千葉が守るという構図が予想されるが、ストロングポイントを示し勝利を手にするのは果たしてどちらのチームか。
東京Vvs讃岐は勝利から見放されているチーム同士の対戦に。前節はともに引き分けているが、勝ち切るためのもうひと押しを互いに示したいところだ。10試合勝利がない山形は2連勝と調子を上げてきた徳島をホームに迎える。守護神の山岸 範宏が出場停止と戦力的にも厳しいなかでの一戦となるが、ホームで意地を見せたいところだ。
岐阜vs愛媛はともに引き分けが多く、ロースコアの戦いが予想される。ここ2試合で勝ち切っている愛媛が試合を優位に運びそうだ。金沢vs町田は、7試合勝利から見放されている同士の一戦に。とりわけ最下位に沈む前者は、是が非でも勝点3を手にしたいところ。逆転での残留に向けて、大きな一歩を踏み出したい。
■第32節の見どころをチェック
北九州vsC大阪
千葉vs山口
東京Vvs讃岐
清水vs水戸
横浜FCvs京都
山形vs徳島
金沢vs町田
群馬vs松本
岐阜vs愛媛
熊本vs岡山
長崎vs札幌