今節の注目マッチは、大宮vs川崎Fだ。年間勝点で首位に立つ川崎Fが大宮に勝利すると年間順位の3位以内が確定し、1stステージを制した鹿島に次いで、Jリーグチャンピオンシップへの出場が決まるのだ。仮に引き分けた場合でも、3位のG大阪、4位の広島、5位の柏が引き分け以下で3位以内が確定。黒星を喫した場合には、G大阪が敗れ、広島、柏が引き分け以下の結果で決まる。川崎Fにとって重要な一戦となるのは間違いない。
もっとも2ndステージ優勝という目的もあるなかで、求めるのは勝利のみだろう。やや勢いが停滞しつつあったものの、前節は福岡相手に快勝を収め、再び息を吹き返している。広島を撃破するなど好調の大宮が相手とあって一筋縄ではいかないだろうが、モチベーションを高く持ち、川崎Fらしいアグレッシブなサッカーを展開していきそうだ。
川崎Fを追う浦和は、FC東京の本拠地に乗り込む。こちらも前節、鳥栖に勝利を収めて3試合ぶりに勝点3を獲得。シーズン終盤に向けて再加速していきそうな気配だ。FC東京も3試合負けがなく、状態は悪くない。なかでもリオ五輪帰りの中島 翔哉が好調で、攻撃陣を活性化。このアタッカーが爆発すれば、前回対戦で逆転負けを喫した浦和にリベンジすることも十分に可能だ。
3位のG大阪は、アウェイで名古屋と対戦。逆転優勝を実現するうえで、下位に沈むチームからは確実に結果を出しておきたいところだろう。目下、絶好調の長沢 駿のパフォーマンが今節も大きなカギを握りそうだ。一方の名古屋は、前節19試合ぶりに勝利を挙げた。状況を一変させたのは、電撃復帰を果たした田中マルクス闘莉王。この闘将の加入により再び活力を漲らせた名古屋は、降格圏からの脱出を目指し一致団結している。難敵を迎える一戦となるが、残留に向けて大きな弾みをつける白星を掴みたい。
神戸vs柏も注目カードだ。ともに首位と勝点3差で並ぶ4位と5位の直接対決は、いわばタイトルへの挑戦権をかけた一戦となる。負ければ優勝争いから脱落しかねないだけに、緊迫した戦いとなることは間違いない。ネルシーニョ監督にとってはかつて率いたチームとの因縁の対戦でもある。ともにブラジル人ストライカーが好調を維持し、爆発的な攻撃力を備える。いかに相手の攻撃を耐えしのげるかどうかが、勝敗を分かつ焦点となりそうだ。
わずかに優勝の可能性を残す鳥栖は、広島をホームに迎える。前節、浦和に力の差を見せつけられて敗れただけに、いかに立て直せるかがポイントとなる。広島も前節は大宮に惜敗。決定力不足を露呈した前線の奮起が望まれるところだ。
こちらも可能性を残す横浜FMは、ホームで新潟と対戦。好調を維持する齋藤 学の存在感が高まる一方で安定した守備も健在。怪我で離脱していた中村 俊輔の復帰の可能性もあり、残り試合に向けて加速していきそうな気配だ。残留争いに苦しむ新潟は前節3バックに変更したものの、名古屋に19試合ぶりの白星を献上。今節はいかなる布陣で臨むのか。吉田 達磨監督の采配に注目が集まる。
鹿島vs磐田も興味深い戦いとなりそうだ。ともに状態はいいとは言えないものの、数々の名勝負を生んできた伝統のライバル対決である。前回対戦は1-1の引き分けに終わっているが、今回の一戦で白星を掴むのは果たしてどちらのチームか。
残留争いを強いられている甲府は3連敗中の仙台と対戦。怪我人が増えておりベストメンバーが組めないなか、代役の選手たちの奮起が望まれる。なかなか結果が出ない仙台も好転のきっかけをつかみたい。怪我からの復帰が予想される梁 勇基がピッチに立てば、攻撃に違いが生まれてくるはずだ。
年間勝点で17位の湘南と18位の福岡の直接対決にも大きな注目が集まる。現在9連敗中の前者に対し、後者も8試合勝利から見放されている。15位の甲府との勝点差は湘南が8、福岡が11と引き離され、ともに後がない状況に立たされている。少しでもその差を詰めるためにも、お互いに勝点3が求められる。希望を見出すのは、果たしてどちらのチームか。
■2nd 第12節の見どころをチェック
横浜FMvs新潟
甲府vs仙台
大宮vs川崎F
鹿島vs磐田
FC東京vs浦和
湘南vs福岡
神戸vs柏
鳥栖vs広島
名古屋vsG大阪