およそ3週間ぶりの再開となる明治安田生命J2リーグ。この間、熊本らが順延試合をこなし、全チームの消化試合が30となり、順位表からは暫定の文字が取り除かれている。
2位に勝点9差をつけ、独走態勢を築きつつある札幌は、ホームに群馬を迎える。天皇杯では岡山に1-2と敗れたものの、リーグ戦における安定感は揺らいでおらず、再開初戦のこのゲームでも力強さを示すだろう。ただし、対戦相手の群馬は決して侮れない。ここ4試合負けなしと勢いに乗っているチームだからだ。とりわけ際立つのは攻撃力。アグレッシブな戦いが機能し始め、結果へとつなげている。札幌の堅守が群馬の勢いを食い止められるかどうか。試合の焦点はこの一点に尽きるだろう。
松本vs京都の上位対決も、今節の注目マッチのひとつ。自動昇格を実現するためにも両者ともに負けられない一戦となる。両チームともに8月は負けなしで乗り切ったものの、引き分けが多いのも事実。堅い守りとは裏腹に、攻撃面に課題を抱えている点も共通している。その特徴を考えればロースコアの戦いが予想されるなか、いかに勝利を引き寄せる得点を奪えるかどうか。両チームのストライカーにかかる期待は大きい。
3位のC大阪は長崎をホームに迎える。勝ち負けを繰り返し、なかなか波に乗れないなか、好調を維持していた杉本 健勇が負傷。3バックに変更後、守備の安定感は高まっているだけに、得点源の離脱は大きなダメージとなりそうだ。代わって出場する選手の奮起が臨まれる。一方の長崎は3試合連続引き分けと勝ち切れない戦いが続く。勝点3を得るために、こちらも前線の働きぶりが重要となる。古巣との対戦となる永井 龍のパフォーマンスに注目したい。
4位の岡山は山口とホームで対戦。前節、千葉に苦杯をなめた岡山としては巻き返しの一戦となる。天皇杯で札幌を撃破した良い流れをこの試合に持ち込みたい。3試合勝利から見放されている山口だが、決して状態は悪くない。前節は松本とスコアレスドローで、直近の天皇杯ではJ1の福岡を撃破している。ただし、その天皇杯から中3日の一戦なるだけに、コンディション面にやや不安が生じそうだ。
清水vs山形は、昨季のJ1対決となる。もっとも現在置かれる立場は大きく異なる。1年での復帰に向けて上位に踏み止まる前者に対し、後者は9試合勝利から見放され18位に沈む。絶好調の鄭 大世を軸とする攻撃サッカーで、清水が押し込むことが予想されるが、山形も意地を見せたいところ。前回対戦では清水が1-0で勝利を収めているが、果たして今回はいかなる決着を見るのか。
ここ5試合で4勝と調子を上げている横浜FCは町田の本拠地に乗り込む。C大阪との打ち合いを制した攻撃力に加え、札幌には1-0で勝つなど、勝負強さも示している。プレーオフ進出圏内とはやや差があるものの、この勢いでさらなる上位進出を実現したい。ただし、水曜日に順延となっていた熊本戦を戦ったばかり。選手起用も含め、中田 仁司監督のマネジメント能力が問われてくるだろう。対する町田は6試合勝利から見放されており、苦しい状況にある。失点が増えているのが気がかりな点で、守備をいかに修正していくかが大きなテーマとなりそうだ。
岐阜と千葉はともにシーズン途中に監督が交代したチーム同士の対戦となる。監督交代後、岐阜は守備の安定性を身に付けつつあるものの、勝ち切るだけの力強さは示せていない。一方の千葉は状況が好転しつつあり、前節も上位の岡山に完勝を収めている。改革を求めた両チームの明暗が分かれるなか、シーズン終盤に向けて確かな手ごたえをつかむのは果たしてどちらのチームか。
調子を上げつつある水戸は東京Vをホームに迎える。前回対戦でも3-0と快勝を収めた相手を再び撃破し、さらなる浮上の実現を目指す。ハードスケジュールに苛まれている熊本は、愛媛とのアウェイゲームに臨む。現在4連敗中と苦しむなか、持ち前の堅守速攻スタイルで勝機を窺いたい。
21位に沈む北九州は徳島とのホームゲームに臨む。前節、熊本に大勝を収め、浮上の兆しを見せるなか、連勝を実現して下位からの脱却を図れるか。最下位の金沢はアウェイで讃岐と対戦。6試合勝利がなく、天皇杯でも千葉に敗れるなど、なかなかポジティブな材料が見当たらないものの、残留圏内の20位の岐阜との勝点差はわずかに3。可能性は十分に残されているだけに、同じく残留争いを強いられる讃岐を撃破して浮上のきっかけを掴みたい。
■第31節の見どころをチェック
札幌vs群馬
水戸vs東京V
町田vs横浜FC
松本vs京都
清水vs山形
岐阜vs千葉
岡山vs山口
讃岐vs金沢
北九州vs徳島
C大阪vs長崎
愛媛vs熊本