前節から中3日で行われる明治安田生命J1リーグ第4節は、様々な側面から見どころが満載だ。
まず、注目は何といってもさいたまダービー。同じ街をホームタウンとするライバル同士の一戦は、前売りチケットが売れに売れ、会場である埼玉スタジアム2002には5万人以上の観衆が詰めかけることが決定的だ。現在5連勝中の浦和に対し、大宮も2ndステージは負けなし。お互いが好調を維持しているだけに、質の高いパフォーマンスが期待できるだろう。J1での通算対戦では浦和の9勝5分7敗と互角に近い成績ながら、現在は4連勝中と、近年は浦和が優位に立っていることが分かる。当然、大宮にも意地があるだろう。負の流れを断ち切り、敵地にオレンジの歓喜をもたらせるか。いずれにせよ、両者のライバル心がぶつかり合う白熱の一戦となることは間違いない。
広島vs横浜FMは、広島の若きストライカーの壮行試合となる。今夏にイングランドの名門アーセナルへの移籍が決定した浅野 拓磨。驚異的なスピードを武器にブレイクを果たした広島の背番号10が、自らを育ててくれたクラブでのラストマッチで、いかなるパフォーマンスを見せるのか。様々な想いを背負ってピッチに立つ浅野の“ラストダンス”を目に焼き付けたい。一方の横浜FMは2ndステージに入り3連勝で首位に立つ。浅野だけでなくピーター ウタカというも得点源を備える広島の攻撃をいかに食い止めるかが4連勝へのカギとなるだろう。ベテランCB中澤 佑二を中心とした守備陣にかかる期待は大きい。
横浜FMと並び2ndステージ首位の川崎Fは磐田とのアウェイゲームに臨む。中村 憲剛を怪我で欠きながらも前節は新潟相手に劇的な勝利を収めており、チームのムードは最高潮にある。今節もこの司令塔は不在ながら、大久保 嘉人に加え、好調を維持する小林 悠の存在も頼もしく、アウェイとはいえ持ち前の攻撃サッカーを展開していくはずだ。逆に磐田は2ndステージではまだ勝利がない。苦しい流れの中で川崎Fとの対戦は厳しいと言わざるを得ないが、相手のストロングポイントを消す術に長けた名波 浩監督が、いかなる戦略を打ち出してくるのか。その采配は要注目だ。
1stステージを制した鹿島は、2ndステージ初戦で敗れたものの、その後2連勝と変わらず強さを示している。とりわけ際立つのは攻撃力。2試合で7得点と圧巻のパフォーマンスを示している。今節の相手である甲府は、逆に苦しい状況にある。こちらは得点力不足が深刻。クリスティアーノが抜けた穴を埋められておらず、このテーマを解消できない限り、苦戦は免れないだろう。
こちらも好調のG大阪は福岡をホームに迎える。前節は大宮の堅守を崩せずにスコアレスドローに終わったが、停滞を強いられた1stステージと比べればチーム状態は格段に上がっている。遠藤 保仁を中心としたミドルゾーンの充実ぶりは際立っており、今節もこのストロングポイントを生かしたサッカーを披露するはずだ。対する福岡は、前節劇的な展開でFC東京に勝利を収めた。残留争いから抜け出すためにも、この良い流れを維持したいところ。堅守速攻を徹底し、G大阪の隙を突きたい。
好スタートを切ったのは鳥栖も同じ。課題の得点力不足が解消され、2ndステージのダークホースとなる予感を漂わせている。今節も好調の攻撃陣のパフォーマンスがカギを握りそうだ。一方で苦しいのは名古屋。開幕3連敗で2ndステージは最下位。年間順位でも降格圏へと転落した。攻撃の形を作れず、3試合で7失点と守備も崩壊。扇原 貴宏やハ デソンといった新戦力もまだ持ち味を発揮できていない。大きな変化を打ち出せないようだと、このまま危機的状況に陥ってしまう可能性もある。
神戸と湘南も状態は芳しくない。神戸は得点こそ取れているものの、ここ2試合で5失点。とりわけ前節は2点のリードを守り切れず逆転負けを喫しているだけに、守備陣の奮起が求められるだろう。湘南も失点の多さが目立つ。個の力でやられる場面が多いだけに、いかに組織として対抗できるかがポイントとなるだろう。
前節、ショッキング敗戦を喫したFC東京は柏をホームに迎える。持ち前の堅守が耐えきれない試合が増えており、状態は深刻だ。逆に柏は前節、2点差を追い上げて広島と引き分けている。新加入のクリスティアーノも状態を上げており、今節もこのストライカーのパフォーマンスがカギを握りそうだ。
ともに3連敗中の新潟と仙台は、2ndステージ初勝利をかけた一戦に。新潟は全試合が1点差負けと勝負強さを欠く。仙台は強豪との対戦が続いたエクスキューズがあるにせよ、失点の多さはやはり気がかりだ。前節は浦和を相手に粘り強く戦ったが、アディショナルタイムに痛恨の失点。最後まで集中力を切らさない戦いが求められるだろう。
■2nd 第4節の見どころをチェック
甲府vs鹿島
神戸vs湘南
磐田vs川崎F
浦和vs大宮
FC東京vs柏
新潟vs仙台
G大阪vs福岡
広島vs横浜FM
鳥栖vs名古屋