明治安田生命J1リーグ 1stステージは、鹿島の優勝で幕を閉じた。開幕から上位を保ってきた鹿島は、5月を4勝1分とハイペースで駆け抜けると、ステージ終盤にはその勢いがさらに加速。浦和、神戸、福岡と対戦した6月も全勝とし、頂点へと上り詰めた。
とりわけカギを握ったのは第15節の浦和戦。負ければ優勝が限りなく厳しくなるなか、アウェイで最高のパフォーマンスを示し、2-0と快勝。優勝を争うライバルとの直接対決を制したことが、ステージ制覇へのターニングポイントとなったことは間違いない。
1stステージを振り返れば、際立ったのはその守備力。17試合でわずか10失点と抜群の安定感を示した。この堅守に加え、中盤以降は金崎 夢生、土居 聖真、カイオら前線もコンスタントに結果を出し、得点力が増加。攻守両面で違いを見せつけた鹿島が優勝を果たしたのは、必然の結果だったと言えるだろう。
5月終了時点で首位に立っていた川崎Fにとっては、残念な結末となった。悔やまれるのはやはり、第16節の福岡戦。勝てば優勝の可能性もあったこの試合で痛恨のドローを喫し、鹿島に首位の座を譲ってしまった。同試合では中村 憲剛の不在の影響もあったが、立ち上がりの2失点が何より痛かった。とはいえ最終節では福岡戦のショックを引きずらず、大宮を相手に2-0と快勝。1stステージを鹿島と勝点1差の2位で終えただけに、今後も年間勝点争いで鹿島と激しいつばぜり合いを繰り広げていくはずだ。
浦和にとっては厳しい6月となった。AFCチャンピオンズリーグの影響でスケジュールが後ろ倒しとなり、この6月は2週間で5試合をこなす過酷な日程となった。とりわけ11日から続いた3連戦は、鹿島、G大阪、広島と強豪との戦いが続き、結果的にこの3試合で3連敗を喫したことが優勝を逃す要因となった。もっとも悪い流れの中で迎えた22日のFC東京戦では前半で2点のビハインドを負いながら、後半に3ゴールを奪って逆転勝ち。最終節の神戸戦でも快勝を収めており、2ndステージに向けて再び勢いを得られたことは明るい材料だ。
4位につけたのは昨季王者の広島。1stステージを2連勝で締め、こちらも2ndステージの戦いに弾みをつけている。好調を維持していた大宮は、最後に失速した。6月は1分2敗と勝利がなく、順位も5位に転落。粘り強い守備は機能したものの、得点力不足は顕著で、ここの改善がなされないようだと、今後も苦戦は免れないかもしれない。
G大阪、柏、横浜FMら中位のチームがなかなか勝点を伸ばせないなか、6月に健闘したのは仙台と新潟だ。仙台は最終節こそ磐田に完敗を喫したものの、月をまたいで4連勝を達成するなど、序盤戦の不振を完全に払しょく。1stステージは10位に終わったものの、今の調子を維持できれば2ndステージでの巻き返しも十分に可能だろう。新潟は6月を2勝1分とし、13位に浮上。守備の安定が好転の要因であり、少ないチャンスをモノにする勝負強さも備わり始めている。こちらも2ndステージの戦いに期待が持てそうだ。
残留争いに目を向ければ、6月に2勝を挙げた鳥栖が浮上し、いまだ降格圏にとどまる湘南も1勝2分と復調の兆しを見せている。一方で甲府と福岡は厳しい戦いが続く。福岡は川崎Fの優勝を阻止してインパクトを残したとはいえ、6月は勝利なし。17試合で11得点という貧打をいかに解消していくか。2ndステージに課させられた最大のテーマと言えそうだ。