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横浜FMvs札幌の見どころ(JリーグYBCルヴァンカップ:2021年6月13日)

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横浜FMは“ボス”不在の中、アタッキングフットボールを表現できるか

JリーグYBCルヴァンカップで何かと縁がある横浜FMと札幌が激突するプレーオフステージ第2戦。横浜FMにとっては10日にアンジェ ポステコグルー監督の退任とセルティックの監督就任が発表されて、クラブに激震が走った直後で迎える一戦となる。周囲の喧騒をよそに、トリコロールの選手たちは“ボス”の下で培ってきたアタッキングフットボールを恩師不在の中でも表現できるのか。それとも敵地に乗り込む札幌が得意のマンツーマンで相手のスキを突くのか。勝者にネクストステージへの切符を与えられる分かりやすい状況で対峙する。

週中の天皇杯2回戦でアマチュアの雄・Honda FCと対戦した横浜FMは、延長戦でも決着がつかず、PK戦の末に敗戦。プレーオフステージ第1戦で先発したレオ セアラとチアゴ マルチンスが120分フル出場したほか、エウベル、マルコス ジュニオール、ティーラトン、岩田 智輝も60分近くプレー。この6人は第1戦に続いて第2戦でも先発の可能性が高い。連戦での激闘の疲れをどれだけ癒やし、コンディションを維持できているかがポイントとなる。

さらに、6日の第1戦のあとにオナイウ 阿道が日本代表に追加招集され、前田 大然もU-24日本代表招集中で不在のため、1トップを担うストライカーはレオ セアラのみ。中3日となる背番号9を3戦連続で先発させるのか、それとも仲川 輝人やマルコス ジュニオールの“1トップ経験者”を配置するのか。暫定的に指揮を執る松永 英機アカデミーダイレクターの判断は気になるところだ。

一方の札幌も9日に天皇杯2回戦を戦い、ソニー仙台FCに5-3で勝利。第1戦からはターンオーバーを実施しており、第2戦の先発候補となるメンバーの温存に成功した。第1戦で負傷した小柏 剛、深井 一希を除き、ほぼ万全の状態で敵地に乗り込めるのはポジティブな材料だろう。

1週間前の第1戦を「前線3人が良い守備連係を見せてくれ、洗練された攻撃的な相手に良いゲームができた」とペトロヴィッチ監督が振り返ったように、内容的には特に前半マンツーマンディフェンスが機能した札幌に軍配が上がった。一方でスコアは1-1。結果としてはアウェイゴールを奪った横浜FMに少々優位性がある状況となった。

第2戦を展望していくと、両者ともに戦い方は第1戦からほぼ変えないだろう。つまり構図はゼロトップ気味に自由を与えられた荒野 拓馬を軸とした札幌のマンツーマンvs速いテンポと流動性を高める横浜FMのアタッキングフットボール。より戦術を表現できたほうが勝利に近づきそうだ。

そして第1戦で価値あるアウェイゴールを奪った仲川 輝人のコメントも興味深い。「札幌とはここ数年、球際で勝ったほうが点を取り、勝利をつかむゲームが多い。セカンドボールを拾うことだったり、中盤の競り合いが肝になる」。中盤で予想されるバチバチのバトルからも目が離せない。

[ 文:大林 洋平 ]





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